「マイナンバーカード」はシステム以前に“呼び名“が世界の笑いもの 実は民主党政権の“負の遺産”

国内 社会

  • ブックマーク

民主党政権の負の遺産

 個人番号の導入を公約したのは2009年、まだ野党だった民主党だった。その後、2012年に野田佳彦内閣で番号法案が閣議決定され、国会に提出されたが、衆議院解散によって廃案となっている。翌13年、第二次安倍晋三内閣であらためて閣議決定され、5月24日に参議院本会議で可決し成立。5月31日に公布された。

 それに先立ち、民主党の菅直人内閣のときに政府の番号制度創設推進本部は、国民一人ひとりにあらたに付与する個人番号(当時は共通番号と呼ばれていた)の名称について、2011年2月24日から3月23日まで一般公募し、807件の応募のなかから「マイナンバー」が選ばれたのである。

「マイナンバー」という名を応募したのは18人で、最多ではなかったそうだ。国語学者やコピーライターら民間有識者が「マイナンバー」のほか「iコード」「国民サービス番号」「日本国民番号」「マイコード」などの候補を選び、社会保障・税一体改革担当大臣を中心に関係各省の副大臣や政務官らが議論して、「マイナンバー」を推すことに決まったという。社会保障改革検討本部で最終決定され、11年6月30日に公表されている。

 要するに、「マイナンバー」という呼称は、民主党政権の負の遺産だったのである。

 それにしても、すべての日本国民に付与する番号の呼び名を、どうして英語由来のカタカナ表記にしてしまったのか。番号は外国人の中長期在留者や特別永住者にもあたえられるにせよ、日本国内でもちいる、おおむね日本人のための番号である。「個人番号」で十分だし、日本人一人ひとりのアイデンティティを示す番号には、日本人のアイデンティティとして誇るべき日本語を使うべきではなかったか。

次ページ:政府が安易に横文字を使う危険性

前へ 1 2 3 4 次へ

[2/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。