鈴木京香の降板でフジを救った若村麻由美 「代役女優」のその後に共通点がある

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代役を引き受けると大成する?

 近年だと2013年5月に舞台「おのれナポレオン」で主演の天海祐希(55)が公演途中に入院、残りの公演は宮沢りえ(50)が代役を引き受けた。かなり短い準備期間にもかかわらず完璧な演技で、女優としての評価はうなぎ上り。以後、主演映画の「紙の月」(14年)と「湯を沸かすほどの熱い愛」(16年)で映画賞を総なめに。プライベートでは18年3月、元V6の森田剛(44)と再婚を果たした。

「20年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』では、薬物事件で降板した沢尻エリカ(37)の代役を川口春奈(28)が引き受けました。時代劇の経験がほとんどない川口だけに最初は不安視されていましたが、馬術や所作を短期間でしっかり叩き込んで好演。今や20社以上のCM契約を抱え、昨年主演したフジの恋愛ドラマ『silent』は社会現象になるほどのヒット作となりました」(前出・放送担当記者)

 話を「この素晴らしき世界」に戻すと、鈴木の代役を引き受けた若村は、なかかなか苛烈な人生経験の持ち主だけに、鈴木とは違った部分での内面からにじみ出る演技が注目されているという。

 若村は高校卒業後に仲代達矢が主宰する俳優養成所「無名塾」に入塾して演技を磨き、1987年の連続テレビ小説「はっさい先生」(NHK)のヒロイン役でデビュー。88年放送のドラマ「飢餓海峡」(フジ)では大胆な濡れ場を披露するなど、女優としてのキャリアを重ねてきた。

「そんな彼女の転機になったと言われているのが、山崎豊子さんの不朽の名作をドラマ化した『白い巨塔』(03~04年、フジ)です。主人公・財前五郎(唐沢寿明)の妻・財前杏子を演じました。教授夫人になることで周りからの脚光と優越感を得たいものの、夫に対する愛情は希薄。しかし、財前が危篤に陥り延命治療を持ちかけられた時、妻として反対するシリアスなシーンでは、その複雑な感情を見事に表現しました。その後、08年から出演している沢口靖子が主演のテレビ朝日の人気シリーズ『科捜研の女』でのサバサバした監察医・風丘早月(かざおか・さつき)教授のイメージも強いですね』(同前)

 これまでプライベートについてほとんど語ることがなかった若村だが、「白い巨塔」の撮影時に大きな出来事があった。

「02年、俳優の渡辺謙が一般人だった最初の妻と泥沼の離婚裁判になり、妻側は共演経験のあった若村を不倫相手の1人として名指ししたのです。結局、真偽は不明。そして翌03年、宗教団体・釈尊会の代表・小野兼弘氏と結婚し、結婚後は芸能活動をセーブしていました。ところが、07年に小野氏が急逝。親族や信者らからの“無言の圧力”があったようで、若村は遺産相続を放棄し、以後、仕事を徐々に増やしていったのです」(ベテラン芸能記者)

 今回、代役とはいえ、03年にフジで放送された「夜桜お染」以来となる地上波連ドラの主演の座をゲットした。ドラマで演じる大女優と多少なりとも重なる部分があるだけに、若村にとっては確実に代表作になるだろう。

デイリー新潮編集部

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