鈴木京香の降板でフジを救った若村麻由美 「代役女優」のその後に共通点がある
代役を引き受け、クラインクイン
女優の若村麻由美(56)が主演する7月スタートのフジテレビ系連続ドラマ「この素晴らしき世界」が先ごろクランクインした。
家では夫と冷め切った関係にある平凡な主婦・浜岡妙子(若村)は、スーパーでパート勤めの日々を送っている。だが、ある日を境に、週刊誌が報じたスキャンダルで海外に失踪した大女優・若菜絹代(若村・二役)になりすまして生活することに――。
ドラマの前半は平凡な主婦が家族に内緒で大女優の替え玉を演じるドタバタ劇、後半は芸能界や一般社会の不正や矛盾に立ち向かう社会派ドラマの様相を強めていくという。
これまでに発表された共演者は、若菜が所属する芸能事務所の社長を木村佳乃(47)、若菜の夫でヒモ状態の売れない俳優を沢村一樹(55)、印刷会社に勤務する妙子に無関心な夫をお笑い芸人のマキタスポーツ(53)が演じ、いずれも若村とは初共演となる。
また、小田和正(75)が歌う主題歌「what’s your message?」は、同ドラマのために書き下ろされた新曲だ。
ドラマは当初、5月9日にクランクインしていた。しかし、主演を務めるはずだった鈴木京香(55)が同日夜に体調不良を訴え、11日に同局と所属事務所が降板を発表。急きょ代役を探し、若村がオファーを受けた。
クランクイン後、若村は自身のInstagramに第1話の台本を手にした笑顔の現場写真をアップ。《鈴木京香さんからバトンを引き継いだ連続ドラマ『この素晴らしき世界』がクランクインしました》と報告した。
フォロワーに対しても、《みなさまからの応援メッセージやお手紙、とっても嬉しく拝読しています。明るいスタッフ・キャストと共にゴールに向けて完走しますので、応援を宜しくお願いします》と呼びかけた。
フジの救世主になった若村
「降板が発表される前日の10日、NHKの『クローズアップ現代』で、建築関係の話題でインタビューを受ける鈴木さんの元気な様子が放送されました。その翌日に降板が発表されるとは……。どうやらクランクインした時点で、鈴木さんは撮影を続けられるような状態ではなかったようです。ですが、共演者も主題歌も発表されクランクインしていたので、放送中止は選択肢になかった。そのため大急ぎで代役探しがスタートしました。鈴木さんと同年代の女優が候補だったので、常盤貴子さん、松嶋菜々子さん、石田ゆり子さん、斉藤由貴さん、高岡早紀さんらの名前が挙がりましたが……」(フジテレビ関係者)
さすがに突然だったこともあり、急なキャスティングは無理だった。
「ところが、若村さんは鈴木さんと同年代で、所属事務所のトライストーン・エンタテイメントとうちの関係は良好。若村さんは6月23日にスタートするNHKのBS時代劇『大富豪同心3』のクランクインを控えていたこともあって、ハードスケジュールを承知でオファーを受けてくれました。苦しい現場を救ってくれた、まさに“救世主”です。今後、彼女に何があっても、フジは若村さんを重宝することになるでしょうね。降板の余波で撮影は約1カ月中断しました。そのため、放送開始が8月にずれ込むかと思われましたが、さすがに経験豊富な若村さん。共演者たちともすっかり打ち解けて、スムーズに撮影が進行しています。それもあって、7月中旬にはドラマをスタートできそうな状況です」(同前)
同ドラマが放送される木曜午後10時の「木曜劇場」といえば、2021年7月期の「推しの王子様」に主演予定だった深田恭子(40)が適応障害により放送直前の5月末に活動休止を発表。そのため比嘉愛未(36)が代役を務め、無事、放送にこぎ着けた前例がある。
「全11話の平均世帯視聴率は4・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でしたが、おそらく深田がそのまま主演していても、それほど数字は変わらなかったかもしれません。しかし、数字よりも急な代役を受けてくれたことに、フジは比嘉と所属事務所に感謝しました。昨年7月期の木曜劇場『純愛ディソナンス』にも、比嘉はしっかり3番手でキャスティングされています。もともと脇役での好演が目立っていた比嘉だけに、今後もフジは積極的にオファーするでしょうね」(放送担当記者)
通常、代役といえば、ある作品の出演者が何らかの事情で演じることができなくなった場合、代わりの役者を立てるが、危険を伴うアクションシーンでその役者と同じような体型の役者やスタントマンが代わりに演じることも多い。
比嘉のほかにも話題作で急きょ代役を受けた俳優はいるが、切羽詰まった危機的状況で代役を引き受けた場合、以後の仕事運が上昇することが多い。
先月18日に緊急搬送された歌舞伎俳優の市川猿之助(47)の明治座公演で代役を務めた市川中車(香川照之=57)の長男・市川團子(19)は、その演技をファンから絶賛されたどころか、一気に歌舞伎界のホープに踊り出た。
「かなりの量の台詞を覚えたり、共演者とのやりとりを覚えたりなど、急きょ代役を引き受けることがいかに大変かは、一般人から見てもハッキリ分かります。視聴者や観客も代役を引き受けた役者に対して“応援モード”にり、その作品にも注目が集まります。役者の側も修羅場を乗り切ったことでスキルや経験値が格段にレベルアップするのかもしれません」(同前)
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