“キング独走”大谷翔平、本塁打王はオーナーの“胸三寸” MVPもタイトルは全て「ご破算」の可能性
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平(28)が6月16日現在で22本塁打を放ち、ア・リーグ単独トップを快走中だ。19本塁打で2位のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)、17本塁打で同3位のヨルダン・アルバレス(アストロズ)はともに負傷者リストに入っている。一昨年、46本塁打を放ちながらあと2本届かなった本塁打王へ、視界は良好。日本人初の快挙に期待が高まるばかりだが、タイトル獲得を阻害する不安要素は消えていない。
「ケチ谷」と呼ばれても真似できない高等技術
6月6日からのカブス3連戦でのことだった。大谷は同学年の鈴木誠也と毎試合前に談笑するなど旧交を温めていた。その3連戦最後の試合後、鈴木は「(大谷と)会ったときはよく話すけど、バッティングを教えてって言っても全然、教えてくれない。“ケチ谷”って呼んでいます」とメディアを笑わせた。
冗談とも本気ともつかない鈴木のジャブを聞き、大谷は「まあ、僕も教えられるようなバッティングをしていないので、お互い頑張りたいなと思います」とはぐらかしたのだった。元NPB野手のMLB解説者は2人の掛け合いを、こう捉えた。
「野球選手は、技術の核心を現役中に他人に言うことには抵抗感があるもの。大谷ほどの選手になればなおさらだろう。ただ、大谷の打撃技術は教えたとしても、鈴木といえども簡単に模倣できるものではない。今季は逆方向の左中間にホームランする常識離れした打撃が米メディアでも盛んに取り上げられているが、ああいうのは限られた選手にしかできない高等技術。一昨年に46本打ってホームランバッターとしてのポテンシャルを示し、昨年終盤には芯で捉える確実性にも進化を見せた。いまやメジャーで三冠王に最も近い選手の一人で、打者でもメジャーナンバーワンの領域に入りつつある」
[1/3ページ]