最下位、観客減、移転問題…藤浪晋太郎が苦境のアスレチックスでファンから大注目されている理由
ビジターゲームの敵ファンまで盛り上げる男
アスレチックス・藤浪晋太郎(29)が日本時間6月14日のレイズ戦に先発し、1回1奪三振無失点と好投、チームの7連勝に貢献し「オープナー」としての役割を十分に果たした。
これより3日前、自身3勝目をマークしたのは、6月12日のブルワーズ戦だった。同点に追いつかれた9回、4番手としてマウンドに上がり、四球を出しながらもなんとかゼロに抑え、延長戦で味方打線が爆発した。「ラッキーな白星が転がり込んだ」といった印象だが、3勝はチーム最多(6敗)。その点ではこの男は“持っている”のかもしれない。
「8回裏、ブルワーズが1対1の同点に追いつきました。9回表のアスレチックスの攻撃は0点。『延長か、サヨナラか?』の重大な場面となる9回裏、リリーフ・藤浪がアナウンスされたとき、スタンドがざわつきました。ブルワーズの地元ファンは、勝利を確信したような雰囲気でした」(米国人ライター)
与四球で自滅することのほうが多い藤浪だが、抑えても抑えられなくても、藤浪はビジターゲームの相手チームファンまで盛り上げているのだ。
そんな“スリリングなピッチング”で3勝目を挙げたのと前後して、米メディアが報じたのが、メジャーリーグの観客減だ。AP通信などによると、6月10日時点でのア・リーグ488試合の平均観客動員数は2万5328人で、前年比で約9.6%のダウン。ナ・リーグも減少傾向にあり、前年比約3.7%の落ち込みが確認された。MLB全体では970試合の平均が2万7483人で前年比で約6.5%のダウンがあった。
「コロナ禍で2020年シーズンは無観客試合となり、昨季から観戦OKとなりました。これから回復していくと関係者が思っている根拠は、ア・リーグ西地区の落ち込みがさほどではないことです。エンゼルスは大谷(翔平=28)人気で1試合平均3万7000人以上、アストロズも3万5000人台をキープし、前年比でプラスです。ところが、アスレチックスだけは前年比で13.7%もダウンしています」(前出・同)
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