超過密日程の藤井聡太七冠がベトナムに呼ばれた“オトナの事情”とは?
史上最年少で名人奪取と七冠達成を遂げた若き天才棋士は、誰より忙しいだろうわが国の総理大臣よりもご多忙だ。超過密日程の中、海を越えてベトナムはダナンの地に彼が引っ張り出された“オトナの事情”とは。
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藤井聡太七冠(20)の直近の動静を眺めると、目が回りそうである。先月27日に叡王戦第4局(28日実施)のため岩手県宮古市へ。叡王位を防衛して29日、同地で「一日駅長」を務め、30日に長野県高山村へ。31日と6月1日に名人戦第5局を戦って名人位を奪取。2日には七冠を達成しての記者会見に高山村で臨んだ。
そして翌3日。成田空港から空路約5時間半。今度はベトナム・ダナン国際空港に。佐々木大地七段(28)を挑戦者に迎えた、5日の棋聖戦第1局のためである。土日の3日と4日を終日公邸で過ごした岸田総理より、はるかに慌ただしい印象だ。
藤井七冠の師匠・杉本昌隆八段の兄弟子で、棋聖戦第1局で立会人を務めた小林健二九段も、おもんぱかる。
「彼はすでに棋界の第一人者なので将棋のことは心配していませんが、岩手、長野、ベトナムと移動が続き、ほぼ家にいられないスケジュール。体は大事にしてほしいと思っています」
ダナンはベトナム第三の都市で、ビーチの美しさで知られるリゾート地。成田からは直行便が出ている。
なぜベトナムに?
海外での対局は、2019年の叡王戦第1局が行われた台湾以来4年ぶり。棋聖戦に限れば1985年の米ロサンゼルス以来、実に38年ぶりである。
なぜ今回、ベトナムに?
「対局が行われたホテルに、自身の知名度を上げて日本人観光客を呼び込む狙いがあったんです」
とは全国紙経済部記者だ。
「対局場となった『ダナン三日月』は昨年6月に開業したばかり。有名なホテル三日月グループにとって初の海外での開業で、総事業費は約120億円にのぼります。黄金風呂を設けたり、千原ジュニアを宣伝部長に起用したりと話題作りに長けた社風だけに、今回もうまいPRだと思います」
実際に「ダナン三日月」の担当者は、メディアの取材にこう答えている。
〈ダナンでの対局については実は日本将棋連盟様に2019年にはお願いをしておりました〉
開業前から狙いすました構想だったわけだ。
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