10代の視聴者が観ている春ドラマ 3位「だが、情熱はある」2位「王様に捧ぐ薬指」1位は?
「ラストマン」は10代にとって刺激が足りない?
10代のニーズが盛り込まれていることを象徴するのは、2位の「王様に捧ぐ薬指」である。世帯視聴率時代なら生まれにくかったドラマに違いない。
橋本環奈(24)が演じる貧乏なウェディングプランナーが、山田涼介(30)扮する勤務先の結婚式場の社長と結婚する。契約結婚だった。2人の幸せそうな偽りの新婚生活を動画配信し、この式場で結婚するカップルを増やそうという計画である。
この時点で、中高年以上の多くはついてゆくのが難しいのではないか。やがて2人は本当に愛し合うようになる。お約束の流れだ。しかし、松嶋菜々子(49)が演じる夫の継母が、2人の仲を引き裂こうとする。さらに北村匠海(25)が扮する継母の隠し子も現れた。
リアリティーに欠けることもあり、中高年以上は食指が動かないかもしれない。半面、T層とコアの支持は厚い。お伽話のようなドラマだからこそ10代は惹かれるのだろう。夢を感じるのではないか。
順位が前後するが、1位の「教場0」を10代が観ているのもうなずける。まず、木村拓哉(50)が演じる刑事指導官・風間公親と組む新人刑事役の俳優が、10代には魅力的であるはず。
赤楚衛二(29)、新垣結衣(35)、白石麻衣(30)、染谷将太(30)。一方で世代が大きく離れた70代、80代の俳優が現役刑事を演じているテレビ朝日、テレビ東京の刑事ドラマを、10代が大喜びで観るとは考えにくい。
個人視聴率でトップの「ラストマン」が、T層では4位とやや下がる。福山雅治(54)が演じる皆実広見がFBI捜査官で全盲である以外、構成はオーソドックスだから、10代には刺激が足りないのかも知れない。
半面、オーソドックスだからこそ誰にとっても観やすく、高い個人視聴率を得ているのだろう。尖ったドラマだと、拒絶反応を示す人が出てくる。
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