10代の視聴者が観ている春ドラマ 3位「だが、情熱はある」2位「王様に捧ぐ薬指」1位は?

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 春ドラマが佳境に入った。テレビ界の将来を左右する10代の視聴者はどんなドラマを観ているのか。そのベスト10を調べた。スポンサーが歓迎するコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)、2020年3月末から標準指標になった個人視聴率も併記した。精度に難点があるのでテレビ界もスポンサーも実務では使わなくなった世帯視聴率も付記した。

視聴率の「個人」と「世帯」はどう違う

 まず10代(T層、13~19歳の個人視聴率)が観ているドラマのベスト5を挙げたい(ビデオリサーチ調べ、関東地区、5月29日~6月4日)。

1位:フジテレビ「風間公親-教場0-」(5月29日、月曜午後9時)
T層3.8%、コア3.2%、個人5.8%(世帯9.4%)

2位:TBS「王様に捧ぐ薬指」(同30日、火曜午後10時)
T層3.0%、コア3.4%、個人3.8%(世帯6.6%)

3位:日本テレビ「だが、情熱はある」(6月4日、日曜午後10時30分)
T層2.5%、コア2.6%、個人2.4%(世帯4.0%)

4位:TBS「ラストマン-全盲の捜査官-」(同、日曜9時)
T層2.4%、コア4.4%、個人7.8%(12.9%)

5位:フジ系(制作・関西テレビ)「合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明~」(5月29日、月曜午後10時)
T層2.3%、コア2.0%、個人4.3%(世帯7.5%)

 NHKを含めた現在のテレビ界、さらにスポンサーが標準指標としているのが個人視聴率(個人)。別名・個人全体視聴率で、4歳以上がその番組をどれくらい観ているかを表している。

 13~19歳の個人視聴率を示すのがT層個人視聴率(T層)。テレビ界の命運を握る世代の支持率である。13~49歳の個人視聴率がコア視聴率(コア)だ。この層は行動が活発であるため、スポンサーに歓迎される。

 3年前までは世帯視聴率(世帯)が標準指標だったことから、その数字が獲りやすい高齢者好みの番組が目立った。10代向けの番組は隅に追いやられがちだった。

 高齢者が好む番組はどうして世帯視聴率を獲りやすいかというと、まず数が多い。世帯視聴率は家族のうち1人でも観ていたらカウントされるため、多数派に好まれる番組が有利になる。

 さらに高齢者はテレビをよく観る。10代が平日1日にテレビを観る時間は約57分、30代は約1時間47分なのに対し、60代は約4時間14分観る(2021年、総務省調べ)。高齢者好みの番組のほうが、世帯視聴率が上がりやすいのは自明の理なのだ。

 ただし、世帯視聴率は視聴者の数すら出ない。個人視聴率の場合、関東地区で1%なら約42万人が観ているが、世帯視聴率では推算することすら難しい。このため、スポンサーは1990年代後半から個人視聴率の導入を強く求めていた。

 3年前に個人視聴率が標準化されたことにより、T層の個人視聴率も出るようになった。これにより、10代の嗜好もドラマに反映されやすくなった。

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