ロシアが新たにウクライナのダムを爆破 破壊工作は旧ソ連時代から 専門家が指摘する「究極の脅し」の意味は?
テレ朝newsは6月12日、「【速報】ロシア軍が新たにウクライナ東部のダムを破壊か 川の両岸で浸水発生 ウクライナ軍『反転攻勢に影響はない』」との記事を配信し、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。
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11日にウクライナ軍の幹部が地元メディアの取材に応じ、東部ドネツク州と南部ザポリージャ州の境界に位置するダムをロシア軍が破壊したと発表したのだ。
6日には南部ヘルソン州にあるカホフカ水力発電所のダムが決壊し、ドニプロ川下流域一帯に今も甚大な被害が出ている。この決壊についても、ウクライナはロシアが爆破したと主張していた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(45)は11日のビデオ演説で、国際刑事裁判所(IOC)がカホフカ水力発電所の現地調査を開始したと発表。調査には全面的に協力するとの考えを明らかにした。担当記者が言う。
「9日にはウクライナ保安局が、ロシアの“破壊工作グループ”の通話を傍受したと発表しました。ネットに投稿された音声データには、『彼ら(ウクライナ人)は攻撃していない。あれはわれわれの破壊工作グループだ』という発言が録音されていました。音声データでは2人の男が会話しており、ウクライナ側はそのうちの1人はロシア軍兵士だと指摘しています」
ロシアのメリット
当初、一部メディアは、アメリカはロシアが爆破した証拠を握っている可能性があると報じたが、ここにきてトーンダウンしているようだ。
「アメリカのシンクタンク『戦争研究所』は、ロシアがダムの損傷に関わった可能性は指摘しましたが、最終的に断言は避けました。またアメリカ3大ネットワークのNBCは6日、欧米当局者の情報としてダム決壊の背後にロシアが存在する可能性を示唆したと報じましたが、明確な証拠は示されませんでした。一方のロシアは、洪水の発生時から一貫して『ウクライナの破壊工作だ』と主張しています」(同・記者)
軍事ジャーナリストは「確かに今のところ決定的な証拠は明らかになっていませんが、欧米各国がロシアの爆破を疑うのは当然でしょう」と言う。
「“動機”を考えれば見えてくるものがあります。ウクライナにダム爆破の必要性は乏しく、ロシアには複数のメリットがあるからです。まず、ウクライナ南部の広大な地域が水没したことで、ウクライナ軍の反攻作戦に支障が出ています。昨年11月、ウクライナ軍は南部の要衝、ヘルソンを奪還しました。ドニプロ川に面しているため、ヘルソンを拠点として反攻のため渡河作戦を実行し、最終的にはクリミア半島まで進軍する可能性が指摘されていたのです」
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