新人王は当確、首位打者やMVPも……評価が上がり続ける「吉田正尚」に死角はないのか

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熾烈な首位打者争いを占うと

「首位打者争いの行方ですが、前向きな意見と慎重論の両方があります。吉田が右方向に引っ張った打球はゴロが多いんです。力があり過ぎて地面に叩きつけられていると言われています」(前出・米国人ライター)

 その右方向への打球が、いずれ放物線を描いてスタンド・インされるようになれば……。また、チームの低迷が吉田個人のバットマン・タイトルの追い風になるとの見方もある。こう言っては何だが、優勝争いの激しくなるペナントレース後半、最下位チームにエース級の投手をぶつけてこない。ローテーションの3番手以降、若手投手のテスト的な登板も増えてくるので、仕留めるのも簡単になってくるからだ。

「首位打者争いのボー・ビシェット(25=ブルージェイズ)は3割1分7厘、吉田とは1分4厘差です(6月13日時点)。ビシェットは一昨年、リーグ最多の24失策を記録したように守備に課題が多く、エラーが打撃に影響し、ノーヒットに終わる日もあります」(前出・現地特派記者)

 ブルージェイズもア・リーグ東地区5チーム中4位。こちらも優勝圏外なので、吉田同様、エース級との対戦がなくなるアドバンテージが生じるだろう。

「心配なのは、吉田の体力面です。MLBに移籍して1年目なので、疲れが後半戦にドッと出てくるかもしれません。夏場の連戦をどう乗り切るか、対戦チームも対策を講じてくるでしょうし」(前出・同)

 もっとも、この疲労感だが、古巣・オリックスの関係者に言わせると、「吉田は脱力打法に徹したときのほうがコワイ」とのことだ。外角球にも逆らわず、素直に流してくるので、ヒット数はむしろ増えると見ていた。

 新人王、首位打者の二冠に輝けば、低迷するレッドソックスのなかで孤軍奮闘したということで、MVP候補にも挙げられるのは必至だ。

 米スポーツブックのベットMGM、ファンデュエルなど大手4社が設定しているア・リーグの新人王オッズは、吉田が2.25~2.8倍で推移しているのに対し、レンジャーズのヤンは4~5倍、アストロズのハンター・ブラウン(24)は7倍以上で推移していた。「マッチョマン」のニックネームで呼ばれる吉田の活躍が止まらない。

デイリー新潮編集部

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