「陛下は愛妻家で大変な子煩悩」 天皇陛下のご学友・乃万暢敏氏が明かす両陛下「夫婦げんか」解決法

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 陛下とは、学習院初等科から大学の史学科までご一緒でした。私は陛下より10年早く結婚しており、ご成婚の時には「乃万君は先に結婚しているのだから、何かアドバイスがあれば教えて」と言われました。私は、陛下もやはり夫婦げんかに直面なさることがあるだろうと思い、「そういう時は男のほうから『きのうはちょっと言い過ぎた』などと、早く謝ってしまうのが一番です」とお伝えしました。

 実際に最近、そうしたご夫婦の良好な関係がうかがえるシーンがありました。ご一家が4月に御料牧場でご静養された際、報道陣の前で陛下と雅子さまの頭がぶつかってしまった。すると陛下はとっさに「ごめんなさい」と丁寧に謝られていました。

 現在でも陛下とは連絡を取り合っていますが、そうした時に陛下は必ず「雅子と愛子からも、くれぐれもよろしくお伝えくださいと申していました」とのお言葉を添えてくださいます。陛下は愛妻家であり、大変な子煩悩でいらっしゃるのです。

ゼミの同期会で…

 皇太子時代のある時、大学のゼミの同期会が寿司屋で開かれました。その際、仲間が屋久島の「愛子」という焼酎を持参したのですが、おいしくて皆ですぐに空けてしまった。すると帰りに陛下が、「乃万君、この空瓶を持ち帰ってもいいかな」と仰ったのです。大きく「愛子」と書かれているラベルに心を引かれ、置き去りにするのが忍びなかったのでしょう。

 そもそも雅子さまは「男子を」よりも「子を産んでほしい」という部分で壁にぶつかっていたと思います。愛子さまが誕生されたことで「次は男子の可能性も」と周囲は期待し、ますます圧力が強まってしまった。「早くお世継ぎを」など、親しい間柄の友人ですら口にできない話題を、当時は公然と宮内庁幹部が口にしていたのだから、病のきっかけになったのは間違いありません。雅子さまからすれば、国際親善とお世継ぎを両立して進められると思っていたところ、前者を一方的に断たれてしまった。その落胆ぶりはすさまじかっただろうと拝察いたします。

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