「日本語を捨ててフランス語を国語に」 “小説の神様”が唱えた「日本語廃棄論」を言語社会学者が徹底論破

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 ひとつの文章の中に、漢字、カタカナ、ひらがなという3種類の文字がない混ぜに使用される言語・日本語。しかも、縦書きでも横書きでも表記できて、漢字の読み方は音読みと訓読みの複数あるというのだから、世界中の言語の中でも、その独自性は特筆すべきものである。

 もっとも、ほぼ日本でしか使われない日本語は、歴史的には、表音文字だけを使うヨーロッパの言語に比較して「遅れた言語」「文法が不明瞭」「漢字の読みが不統一」と否定的に捉えられることが多かった。

 その代表例としてよく話題になるのが、「暗夜行路」「和解」「小僧の神様」「城の崎にて」などの作品で知られる作家・志賀直哉が、終戦直後に総合雑誌「改造」に発表した「国語問題」という論文。...

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