NHKの不適切「9億円予算」でわかったBSの迷走 改革の目玉で1波削減 だったら受信料も下げろの声

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スリム化の目玉

「NHK改革の目玉として、とりあえず衛星1波削減を打ち出したせいでしょう。これまでNHKは、受信料収入が増えるたびに“増築”を繰り返してきました。チャンネル数も配信も……。増築に増築を重ねて、もはや建て付けも歪んでいる状態でしょう。肥大化したNHKのスリム化を求める声が上がり、取って付けたような改革を打ち出した。ところが、すでに世の中にはNetflixなどスマホでも視聴可能な有料動画配信サービスが普及し、テレビでしか見られない衛星放送の存在価値は薄れました。さらに1波を減らすのですから、割高感も加わった。これ以上、衛星解約が進まないために、BS配信のための9億円予算を組んだのだと思います」

 NHKの公式ページにある「受信料・受信契約数に関するデータ」を見ると、衛星契約者は2020年4月末(2290万1773件)をピークに減り始めていることがわかる。

「民放地上波はローカル番組も含めTVerで無料配信されていますし、Netflixなどの有料動画配信サービスでは映画や独自のドラマも見ることができます。NHKに限らず配信はメディアの流れです。とはいえ、今さらBSなど必要ないと考える視聴者も少なくないのでしょう」

 NHK経営計画(2021~2023年度)では、スリムで強靱な「新しいNHK」になるため、BS波の削減と共に経費を700億円規模で削減することも掲げている。にもかかわらず「衛星解約・地上波の契約変更の抑止」として9億円もの予算を組むとは、やはりおかしな話である。

デイリー新潮編集部

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