自覚症状なしで人工透析に… 国内に1300万人の患者がいる「慢性腎臓病」の恐ろしさ

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必ず腎臓内科へ

 高血圧や糖尿病、肥満などの生活習慣病が慢性腎臓病の大きな原因となります。そのため、服薬中でも家庭血圧が140以上ある人、糖尿病で尿蛋白が「1+」以上ある人は、必ず腎臓内科を受診しておくことをお勧めします。

 また、そうでなくとも健康診断の結果を見て尿蛋白や尿潜血が検出されている人、eGFRが60を切っている人は、一度、腎臓内科にかかった方がよいでしょう。

 繰り返しますが、慢性腎臓病は早期発見で治る病気です。「腎臓を守ることは命を守ること」。これを忘れずに、働き者の腎臓を慈しんであげてください。

伊藤貞嘉(いとうさだよし)
東北大学名誉教授・公立刈田綜合病院特別管理者。1954年生まれ。東北大学医学部を卒業し、米ヘンリーフォード病院内科シニアスタッフ、東北大学医学部教授、同大理事などを経て2019年より現職。腎臓が食塩を感知して機能を調節する仕組みを世界で初めて証明。日本高血圧学会理事長や日本腎臓学会理事などを歴任し、紫綬褒章、米国高血圧学会最高栄誉賞など受賞も多数。

週刊新潮 2023年6月8日号掲載

特別読物「患者数1330万人! 自覚症状なしで気づいた時は手遅れ 『人工透析』まっしぐら『CKD』から命を守れ」より

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