WBC栗山前監督「争奪戦」は巨人、日本ハム、楽天の“三つどもえ” 楽天監督に必要な「オーナーとの念書」とは
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の栗山英樹監督(62)が5月末に任期満了で退任した。会見で「やりたいことは二つ三つあるので、そこの準備だけはしておきたい」と言葉を濁した今後の進路では、複数のNPB球団で監督、ゼネラルマネジャー(GM)の候補に挙がる。世界一に導いた手腕に引く手あまたの現状で、複数の球界関係者によると、「栗山争奪戦」は巨人、日本ハム、楽天の三つどもえの様相を呈している。
「中田暴力問題」蒸し返しの危険性
巨人では原辰徳監督が栗山氏と昵懇の関係にある。栗山氏が原監督の現役時代に憧れを抱いていたことを発端に、キャスター時代には原監督から巨人コーチ就任の打診を受けている。さらに今年3月のWBCに向けては代表監督の先輩として教えを請うたり、人選で相談を持ちかけたりした。
巨人監督はOBの4番打者かエースという不文律がある。たとえ巨人が今季低迷し、原監督が来季まで3年契約を結ぶ中で途中退任に至ったとしても、栗山氏の監督招聘は現実的ではない。
しかし、GMであれば、その制約は受けない。かねて巨人は大谷翔平(エンゼルス)ダルビッシュ有(パドレス)らを招集した栗山氏の編成能力を見込み、本社サイドにはGM待望論が浮上している。しかも事実上、GM職を兼ね、全権監督である原監督ではFA選手などの獲得がままならない現状に陥っているだけに、なおさらだ。
それでも、さる元NPB球団社長は、巨人ではGM就任にも障害があるという。
「(一昨年に)中田(翔)を日本ハムから巨人に無償トレードした影響はいまだに尾を引いている。暴力問題のケジメをつけずに移籍し、無期限停止処分を形骸化させた。中田トレードは(当時監督だった栗山氏と原監督の)2人の合作だけに、蒸し返される可能性がある。声価を高めた栗山氏が表立って原監督とタッグを組む形は良くない。原監督の退任と同時のGM就任なら支障はないと思うが、原続投なら栗山GM就任は難しいのではないか」
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