【山口新3区】林外相に「シマを渡したくない」安倍昭恵さんに地元から批判噴出「だったら自分が出ればよかったのに」
「そんなに騒ぐんだったら最初から自分で出ればよかったのに」(林芳正外相派の地元関係者)。山口県下関市では、これまで控えられていた安倍昭恵さんへの批判が露骨に聞かれるようになったという。衆議院の「10増10減」に伴う山口新3区の公認争いで激しく対立する昭恵さんと林氏。はたして昭恵さんは本気で林氏と一戦交えるつもりなのか――。
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【写真】「主人の後を継がせてください」と泣きながら吉田真次氏の応援に回った安倍昭恵さんと故・安倍晋三首相を彷彿とさせると吉田氏のホームページ
安倍派幹部を伴い“直訴”
国会の会期末が近づき、解散総選挙を見据えた動きが全国で加速している。山口県では「10増10減」に伴い衆議院の選挙区が4から3に減る。自民党では、新1区は現1区・高村正大氏、新2区は先の補選で当選した現2区・岸信千世氏の公認がほぼ確定しているが、下関市を中心とする新3区は調整がついていない。
父の代まで下関を地盤とし、自身も高校まで同市で生まれ育った現3区の林氏と、先の補選で昭恵さんに故・安倍晋三首相の後継指名され、現4区で当選したばかりの吉田真次氏が激しく争い、分裂選挙の可能性まで取り沙汰されているのだ。
「4月の補選が終わってから、県連内でも議論を重ねてきましたが結論が出なかった。県連幹部は、4月末と5月25日に上京して党本部に判断を仰ぎましたが、『地元で決めてくれ』と突き返された。そんな中、昭恵さんは周囲の度肝を抜く行動に出たのです」(地元記者)
5月31日、安倍派の塩谷立、下村博文・両会長代理と共に党本部を訪ね、茂木敏充幹事長と会談。表向きは7月に行われる夫の1周忌法要を報告する場であったが、「新3区は吉田さんでお願いします」と茂木幹事長に猛プッシュしたのだ。安倍派の重鎮議員まで取り込むやり口に、地元の林派からは昭恵さんを公然と批判する声が噴出したという。
総理を目指す男がなぜ“ぽっと出の若造”に
「もし昭恵さんや親族が出ていたら、林さんも下関を獲りに行きませんでしたよ。なぜ総理に最も近い議員と言われている林さんが、ついこの前まで下関市議に過ぎなかった“ぽっと出の若造”に譲らなければならないのか。自分は表に出たくないが、林家にだけはシマを渡したくないなんてワガママでしかない。だったら最初から自分が出ればよかったんです」(林芳正外相派の地元政界関係者)
中央でも同様で、「いくらなんでも一私人に過ぎない未亡人が幹事長室に乗り込むのはやり過ぎ」(自民党関係者)という見方が大勢だという。
県連幹部は6月7日にも上京し、選定を党本部に委ねたというが、
「内々に林さんを推したと言われています。いずれにしても、誰か一人が弾き飛ばされなければならない。新1区、新2区がまとまっている現状を考えれば、吉田さんが譲るのが一番まとまりいいのです」(前出・地元政界関係者)
だが、昭恵さんと吉田氏は簡単に引き下がる気はなさそうだ。11日に下関市で開かれた後援会の会合後、昭恵さんを伴って現れた吉田氏は「安倍晋三先生の無念を晴らしたい」と新3区での出馬意欲を語った。その日、後援会長に就任したばかりの昭恵さんも「下関は主人が10回選挙で勝ち抜いてきた地盤。吉田さんにはこの地域で頑張ってほしい」と林氏と一戦交える構えを見せた。
はたしてこのまま分裂選挙となるのか。
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