「町田カフェ銃撃事件」から見えてくるヤクザの窮状　　射殺された舎弟の組織「山口組・極粋会」が抱える別の難題とは

また別の問題とは？

　また別にネックとなったことがあったという。これもETC絡みだ。

「5月17日、ヤクザであることを理由にETCパーソナルカードを使わせないのは違法だとして、3代目弘道会幹部らが、高速道路6社と国を提訴しました」（同）

　ETCパーソナルカードとはクレジットカードを持たない者でもETCを使えるようにするサービスで、クレジットカードを持たない・持てないヤクザにはありがたい1枚だった。訴訟では、会員資格の取り消しは無効であることの確認と損害賠償を求めていた。

　ヤクザ側からすれば、生活に必要なインフラである高速道路を、警察側があれこれ手を使って、実質的に使えないようにしている現状を少しでも変えたいという考えがあるのだろう。しかし、警察側が、自分たちに歯向かって来ているという受け止めをしてもおかしくない。

「この提訴があったので、当局としては新井会長の保釈も認めたくなかったのかもしれませんが、名義人が同乗していてはさすがに認めないわけにもいかなかったのでしょう。ただ、山下会長に対しては提訴を受けて意趣返し・嫌がらせをしているという構図だと見ています」（同）

　ヤクザを取り巻く状況がどんどん厳しくなっているのは間違いなさそうだ。

デイリー新潮編集部

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