「町田カフェ銃撃事件」から見えてくるヤクザの窮状 射殺された舎弟の組織「山口組・極粋会」が抱える別の難題とは
抗争には発展せず
5月26日の午後7時半ごろ、東京・JR町田駅に直結するターミナルビル内のカフェで男性が拳銃で撃たれ死亡するという事件が起きた。死亡した男性は、6代目山口組の2次団体・極粋会の舎弟・鈴木英東(ひでとう)組員(51)で、射殺した相手は稲川会の元組員。そんな災難に見舞われた極粋会トップが、別件のトラブルも抱えているという。
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町田の銃撃事件の原因は金銭トラブルだと見られている。鈴木組員が加害者に貸したカネが返ってこず、それをただしたところ元組員から発砲されたということで、抗争に発展することはなさそうだ。
とはいえ、組員が殺されるというのは組織にとっては大きな痛手である。そのうえ鈴木組員が所属していた極粋会のトップ・山下昇会長は自身に関連してのトラブルを抱えているのだという。山下会長は、これまでにもメディアで名前が取りざたされたことがある。その経歴について簡単に説明しておこう。
山下会長は以前、極心連合会(解散)の若頭を務めていた人物。この組織の名前は、2011年8月に芸能界を引退した島田紳助さんとの密接交際が広く報じられたことで、一般にも認知されるようになった。
トラブルとは?
現在は6代目山口組の高山清司若頭の秘書役を担っており、かなりの信頼を寄せられているとのこと。次の若頭補佐人事がある際にはその筆頭候補の呼び声が高いとされる。
そんな山下会長が巻き込まれているトラブルというと、かなりスケールの大きな話という印象を持たれるかもしれないが、どうやらそうでもないようだ。
「ETCカードの不正使用問題ですね」
と話すのは、元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は、暴力団組員の更生を支援するNPO法人「五仁會」を主宰)。
今年2月、ETCカードをめぐって大阪府警は6代目傘下の2次団体・秋良連合会の金東力会長や、同じく2次団体・2代目章友会の新井錠士会長、そして極粋会の山下会長を電子計算機使用詐欺の容疑で逮捕・起訴している。
「この中で新井会長は5月末に保釈されました。カードの名義人である内妻が同乗していたということが考慮されたようです。一方で山下会長の場合は保釈申請が却下されています。使用したカードの名義人が自身の子息で、山下会長が本拠とする大阪ではなく東京に住んでいることがネックとなったと聞いています」(同)
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