酒乱で子供に暴力をふるうロシア人妻に苦しめられた外交官 元公安警察官のアドバイスで解決したその後

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離婚調停

 聞けば、外交官は本国で妻との離婚調停中だった。

「彼の国の離婚裁判は女性には審理が甘いところがあって、なかなか離婚が成立しないそうです」

 勝丸氏は、いくつかアドバイスをした。

「妻が子供に暴力をふるってアザなどができたら、それを全て写真に撮るように言いました。また、家で暴れだしたら、110番しなさいと。彼女を逮捕することはできませんが、警官を家に入れる許可さえ出せば、妻から事情を聞くことはできると伝えました」

 外交官に弁護士も紹介した。

「その後も私のアドバイスに従って、妻の暴行の証拠を集めました。息子のアザの写真を撮るだけでなく、病院にも連れて行き診断書をもらったそうです。家で暴れたときは110番通報をして、警官に事情聴取をしてもらったといいます」

 もっとも、ロシア人妻の酒乱はますますひどくなったという。

「結局、一緒に暮らせなくなり、外交官と子供はホテル住まいをするようになりました。その後、暴行の証拠を裁判所に提出したところ、ようやく離婚が認められたのです。離婚すればロシア人女性の外交特権もなくなってしまいます。再び子どもに暴力をふるえば今度は間違いなく逮捕されますからね。彼女は逃げるように帰国したそうです」

勝丸円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁。2000年代初めに公安に配属されてから公安・外事畑を歩む。数年間外国の日本大使館にも勤務した経験を持ち数年前に退職。現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活躍中。「元公安警察 勝丸事務所のHP」https://katsumaru-office.tokyo/

デイリー新潮編集部

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