酒乱で子供に暴力をふるうロシア人妻に苦しめられた外交官 元公安警察官のアドバイスで解決したその後

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 日本の公安警察は、アメリカのCIA(中央情報局)やFBI(連邦捜査局)のように華々しくドラマや映画に登場することもなく、その諜報活動は一般にはほとんど知られていない。警視庁に入庁以後、公安畑を十数年歩き、数年前に退職。一昨年『警視庁公安部外事課』(光文社)を出版した勝丸円覚氏に、駐日大使館に勤務していたある外交官の離婚問題について聞いた。

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 今から10年ほど前、勝丸氏は公安部外事課の公館連絡担当班に所属していた。公館連絡担当班は、各国大使館や総領事館、政府代表部との連絡、調整が主な任務で、ときに、トラブルに巻き込まれた外交官の相談に乗ることもある。

「当時、日本に駐在しているある南欧の国の大使から連絡がありました。部下の外交官のことで相談したいことがあると言うのです」

 と語るのは勝丸氏。

「大使によると外交官は40代で、妻は30代のロシア人。かなりの美人だそうです。実は、彼女が酒乱で、夫婦関係がおかしくなっていると。二人には6歳になる男の子がいたのですが、酔うと暴力を振るっていたといいます」

「妻にも外交特権」

 親とはいえ、子供に暴行すれば傷害罪で逮捕される。

「実は外交官と同居する家族にも外交特権があるので、妻を逮捕することはできません。警察官が自宅を捜査するのも無理なんです。刑事や民事裁判も免除されています」

 勝丸氏は、その外交官から直接話を聞いた。

「地味で真面目そうな人でした。彼によれば、妻はお酒が好きでしたが、妊娠中や出産して子供がまだ幼いときは飲んでいなかったといいます。ただ、子育てが大変で、日本ではロシア語が通じないこともあり、段々ストレスが溜まっていったようです」

 子供が大きくなるにつれ、どんどん飲むようになったという。

「すぐにアル中になったといいます。夕方飲みに出かけると、朝まで帰ってこない。酔って帰ると、息子を殴ったこともあったとか。そのため子供の体はアザだらけだといいます」

 一度家を出ると、何日間も帰ってこないこともあったという。

「外交官に『奥さんは浮気しているんじゃないですか』と聞いてみたところ、『間違いなくしている』と即答しました。彼女のスマホを見ると、バーで見知らぬ男と肩を組んでいる写真や抱き合っている写真があったそうです」

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