中京大中京・宮内渉吾が圧巻のピッチング… 「スーパー高校1年生」がゴロゴロ出現している理由
スーパー1年生の誕生
衝撃的なシーンだった。去る6月4日に行われた「愛知県高野連招待試合」(2日目)で、花巻東の佐々木麟太郎(3年)が「空振り三振」に斬って落とされたのだ。
佐々木は前日の同招待試合・東邦、愛工大名電校の2戦で、3本の場外ホームランを放っている。高校通算本塁打数は134本、メジャーリーグも熱視線を送る“規格外のスラッガー”だ。
「花巻東は招待試合から戻ってすぐの7日から『春季東北大会』に出場しますが、ベストコンディションで招待試合に臨んでいました」(地元メディア関係者)
そんな佐々木を翻弄させたのは、中京大中京の宮内渉吾投手。投げ勝ったから球場がざわついたのではない。宮内は今年4月に入学したばかりの“1年坊主”なのだ。
「この試合が高校のデビューマウンドで、6回からリリーフで登板するチャンスをもらいました」(前出・同)
佐々木から奪った三振がビギナーズラックではないことを証明するように、1イニングをゼロに抑えてみせた。佐々木目当てで集まっていたプロ野球の各チームスカウトもビックリしていた。新たな「スーパー1年生」の誕生である。
「ここ数年、高校野球では1年生から活躍する選手が出てきました。宮内君に三振を喫した佐々木君も、高校入学当初からホームランを量産していた“元祖”スーパー1年生です。今年は全国各地の春季大会で、1年生の活躍が伝えられています」(アマチュア野球担当記者)
まだまだいる規格外の1年生
春季関東大会・準々決勝でのこと(5月25日)。木更津総合(千葉県)の4強入りの原動力となったのは、1年生内野手・庄村佑心。6回に高校通算1号となる左越え2ランを放った。また、同じく準々決勝の高崎健康福祉大高崎(群馬県)と帝京(東京都)の一戦では、健大高崎の1年生、石垣元気が先発マウンドを任された。7回無失点の内容はもちろんだが、
「2対0で健大高崎が勝利したんですが、石垣クンは0対0の緊迫した場面をずっと投げ続けていました」(前出・同)
と、そのメンタル力の強さも多く聞かれた。
しかも相手(帝京)は、全国制覇も果たした伝統校である。全国区の有名選手はいないが、“野球エリート”の年長者たちをゼロに抑えたのだから、入学して2カ月弱なのに超高校級の投手であることを証明して見せたわけだ。
春季大会からスタメン出場やベンチ入りを果たしたスーパー1年生は、ほかにもいる。
天理の冨田祥太郎、赤埴幸輝の両内野手はスタメン出場も果たした。上級生の故障も重なったとはいえ、4人の1年生がベンチ入りしている。智弁和歌山では外野手の藤田一波がレギュラーを獲得し、渡邉颯人、奥雄大両内野手もベンチ入りした。
他にも山村学園・横田蒼和が快音を連発させ、東海大相模では外野手の金本貫汰、投手の福田拓翔が注目を集め、浦和学院でも内野手の西田瞬がスタメン出場した。横浜高校でも昨年、1年生4人がベンチ入りしている。
「それと、健大高崎には中学時代から注目されていた左腕・佐藤龍月もいますし、関東第一の左腕・坂本慎太郎も春季大会で公式戦マウンドを経験しました」(スポーツ紙記者)
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