上白石姉妹“成功の秘密” 萌音と萌歌はどこが似ていて、どこが違うのか

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姉妹のこれから

 ドラマ制作者や映画監督と雑談すると、演技力は運動神経と似ていて、生まれ持った才能が大きいと教えられる。だから姉妹ともうまいのか。また、萌音は小1、萌歌は幼稚園から地元・鹿児島の名門ミュージカル教室に通い、英才教育も受けている。

 萌歌がトークバラエティ「A-Studio」(TBS)のサブMCを務めていた2020年1月、萌音がゲスト出演したことがある。その場で萌音は、お互いの名前が似ているので混同されがちだとこぼした。本人たちにしか分からない悩みだった。

 このため、萌音は「ここで下手な事をやったら、萌歌の株も落としかねない」と思いながら仕事に臨むことがあるという。妹のことを考えているのだ。なお、姉妹はケンカをしたことがないことでも知られる。

 一方、萌歌は放送後に更新したインスタグラムに「同じおなかから産まれたのに、こんなにも違って、こんなにも似てるんだよなぁ~私たち!」(原文まま)と思いを投稿した。

 確かに演技がうまいところ、ナイーブな印象を与えるところは似ているものの、やっぱり違う。

「カムカムエヴリバディ」のヒロイン・橘安子のように、愚直なまでに誰かを愛し、強さも併せ持つ女性役は萌音のほうがハマるはず。一方、「警視庁アウトサイダー」の水木直央のようなコメディエンヌは萌歌のほうが断然合う。とぼけた表情とセリフの間が絶妙だった。

 姉妹はこれからどうなるか。まず、石田ゆり子(53)と石田ひかり(51)姉妹、広瀬アリス(28)と広瀬すず(24)姉妹のように、第一線で活躍を続けるのは間違いない。

 また、女優としてのドラマ共演より先に、歌手としてコラボレーションするのではないか。母親が元音楽教師だったこともあってか、姉妹はともに歌も抜群にうまい。

 萌音は2021年のNHK紅白歌合戦で「夜明けを口ずさめたら」を歌い、往年のポップスをカバーしたアルバム「あの歌」(2021年)もヒットさせた。

 一方、萌歌はadieuのアーティスト名で歌手活動を行っており、「穴空きの空」(2022年)などをヒットさせた。姉妹の歌を聴かれたことのある人ならご存じのとおり、ともに透明感のある歌声が特徴だ。

 姉妹とも若い。まだ可能性を秘めている。上白石旋風はしばらく止まらないだろう。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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