【京都タリウム殺人】被告の“妻”が初告白 夫の浮気を確信した“誕生日旅行”、「別居を決意した直後に警察が…」
“誕生日旅行”
探偵からの報告書には、手を繋いで歩く二人の写真があった。A子さんは一希被告に“浮気”を問い詰めた。ところが夫は断固として認めない。そのため、「“もうこの家に帰って来ないで”と怒鳴りつけたら、その日から本当に帰って来なくなりました」という。一方、相手の女性にA子さんが抗議するようなことはなかった。ただ、一度だけ、心を痛めたA子さんが取った行動があった。
「彼女のFacebookに、家族旅行で訪れたことのある北海道のレストランについての投稿があったんです。それに対して“いいね”を押しました。昨年10月上旬、二人が“誕生日旅行”に出かけているときのことでした」
一希被告と浜野さんは誕生日が同じだった。そのタイミングに合わせて、二人が淡路島に一泊旅行へと出かける際、A子さんは浜野さんのSNSへの投稿に“いいね”を押したという。周囲に相談することもできないA子さんにとって唯一の、そして精一杯の行動だった。そして、A子さんのアカウントはほどなく、浜野さんからブロックされてしまう。
その後、浜野さんのマンションで半同棲していた一希被告が、A子さんと娘の住む自宅に戻ってきたのは、誕生日旅行から10日ほどが経った2022年10月12日――。
浜野さんが病院に搬送されたのは、まさに、その日の朝のことだった。以降、一希被告は浜野さんのマンションに足を運ばなくなったことを、A子さんは不思議に思っていたという。
別居のための引っ越し当日に警察が
「後になって彼女が10月15日に搬送先の病院で亡くなったと知りましたが、その前後も、主人はいつもと変わりない様子で京都にいたと思います」
浜野さんと一希被告は経営者仲間の店で出会ったとされる。関係者によれば、「“舞妓のイベントをやっているからアルバイトしないか”と一希さんが誘ったそうです。浜野さんは彼の会社でデザインやシフト調整などの仕事をこなしていて、他のスタッフとも面識があった」という。
一方のA子さんは、離婚に向け、別居を決意する。ところが、娘と一緒に家を出ようと考えていた昨年11月、自宅に“警察”がやってきたという。
「その日の朝に引っ越しを予定していたんです。主人はゴルフで早朝に家を出る予定だったので、それから引っ越し業者が訪れる予定でした。ところが、主人が家を出てすぐに呼び鈴が鳴った。忘れ物かと思ってインタフォーンのモニターを見たら、10人以上もの男性がいて……。まもなく彼らが警察だと分かりました。主人も出先で警察に事情を聞かれていたようですが、当初は“いちばん動機がある者”として、私が容疑者のような扱いで。ほぼ強制同然で任意同行を受け、スマホやPCを押収されました。そのとき“浮気”を疑っていた彼女が亡くなったことを初めて知らされたんです」
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