「開催2日前にいきなり電話で言われ…」共産党の申し入れで「水着撮影会」が中止に 騒動の裏側に迫る
埼玉県の県営公園で開催予定だった水着撮影会が、開催直前に中止となったことがSNS上で波紋を呼んでいる。中止に追い込まれた撮影会の主催者、中止を求めた日本共産党埼玉県議会、中止を決めた公園を管理する公益財団法人「埼玉県公園緑地協会」の三方に話を聞いた。【徳重龍徳】
ことの発端は日本共産党埼玉県議会議員団のTwitterが6日に行った「埼玉県営公園で女性の水着撮影会が行われます。未成年も出演するという情報については調査中です。城下のり子・伊藤はつみ・山﨑すなお県議は、本日、都市公園法第1条に反するとして、貸し出しを禁止するよう県に申し入れました」とのツイートだった。投稿には6月24、25日に開催予定だった近代麻雀水着祭のURLも併記されていた。
もともと埼玉県にある川越水上公園、しらこばと水上公園、加須はなさき水上公園は人気グラビアアイドルやコスプレイヤーが多数参加する大規模なプール撮影会の会場として頻繁に使われてきた。
日本共産党埼玉県議会議員団は、こうした水着での撮影会について、「明らかに『性の商品化』を目的とした興業」であり、都市公園法第1条の「都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めて、都市公園の健全な発達を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする」にふさわしくないことを理由に、会場の貸し出しを中止などを求めたとホームページ上で発表した。
これに続き埼玉県の公園を管理する公益財団法人「埼玉県公園緑地協会」は水着撮影会へのプールの貸し出しを禁止し、開催が差し迫っていた10日のフレッシュプール撮影会(川越水上公園)、11日のはまなる大プール撮影会(同)、10日に開催予定だったミスヤングアニマルオーディションセミファイナルプール撮影会(しらこばと水上公園)が相次いで中止を発表した。そして共産党が申し入れの対象とした近代麻雀水着祭も6月9日18時に中止を発表した。
SNSで相次ぐ「グラドル」「弁護士」からの異論
これに悲鳴を上げたのが突然、仕事を奪われる格好となったグラビアアイドルだ。人気グラドルの森崎智美が「グラビアは性の商品化と言われるのが残念だな」とツイートしたほか、
「私たちグラビアのお仕事が奪われてく。おれらのお仕事奪わないでくれ」(蒼猫いな)、「私にとってプール撮影会は何よりの楽しみなのに」(ツジ・ルイス)など悲しみの声や、「わざわざ『女性の』ってつけるのは何故? 男性の水着撮影会なら何も言わなかったんだろうなってところが透けて見える」(やしろじゅり)など憤りの声が上がっている。
共産党が求めた中止理由について、法的な観点からも議論が起きている。弁護士の平裕介氏はTwitterで「『都市公園法第1条に反する』という理由で『貸し出しを禁止するよう県に申し入れ』をしたようだが、これは、同法1条の解釈・適用を間違った違法な申入れだと考えられる。不法行為の疑いもある権力者の暴走だろう」、同じく弁護士の戸舘圭之氏も「その論法でいけば下手すりゃメーデーとか赤旗祭りだってダメにされかねないですよ。。」と指摘した。
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