本物の芸人「ハリウッドザコシショウ」が再評価されている理由

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一度はまったら抜け出せない、クセになる魅力

 しかし、そこからじわじわと彼の面白さが徐々に世間にも浸透していった。大きなきっかけになったのは、松本人志が主催するAmazon Prime Videoのオリジナルコンテンツ「HITOSHI MATSUMOTO presentsドキュメンタル」で優勝したことだろう。芸人同士の本気の笑わせ合いで結果を残したことで、彼の芸人としてのポテンシャルの高さが業界内でも認められた。

 それまではテレビのスタッフにも、彼をどう扱っていいのかわかっていないようなところもあった。しかし、「ドキュメンタル」以降、どんな状況からも力ずくで笑いをもぎ取る彼の「飛び道具」的な魅力が認知されるようになり、その個性を生かすような形でバラエティ番組に呼ばれることが多くなってきた。

 そして、現在では「お笑い界にこの人あり」という唯一無二の存在感を確立した。

 1人のファンとして言わせてもらうと、圧倒的にパワフルな彼の芸は、生で見た方が面白さは伝わりやすい。まだ見たことがない人は、ぜひライブで彼の本物の芸を味わってみてほしい。一度はまったら抜け出せない、クセになる魅力があることに気付くはずだ。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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