「満蒙は日本の生命線」発言の松岡洋右は、本当に帝国主義のイデオローグだったのか
「満州は日本の生命線」と主張し、国際連盟からの脱退を宣言、日独伊三国同盟を推進した松岡洋右(ようすけ)といえば、日本を戦争に引きずり込んだ帝国主義のイデオローグという評価が一般的だろう。
しかし、学習院大学教授の井上寿一氏は、近著(共著)『日本の戦争はいかに始まったか―連続講義 日清日露から対米戦まで―』(新潮選書)の「第三章 満州事変はなぜ起きたのか」で、松岡は必ずしも軍事力による大陸進出を目指してはいなかったと論じている。...