テレビ朝日 悲願の視聴率三冠王獲得でも、業界の評価は「時代遅れのテレビ局」
若い人は見ないテレビ局
同誌に掲載された結果によると、日本テレビは1位を獲得した「世界の果てまでイッテQ!」(8.1%、4月23日放送)などなど、58番組中28番組が占めた。
続いて、放送初回のバラエティー番組「まともtoなかい」(7.7%、4月30日放送)が3位に入ったフジテレビで12番組。残る10番組はTBSが入ったが、なんと、テレ朝はNHK、テレビ東京と並び1番組も入らなかったのだ。
ちなみに、テレ朝は、4月の世帯視聴率のベスト10に「ポツンと」など3番組が入っているにもかかわらずだ。
「テレ朝に“天皇”として君臨している早河洋会長の方針で、あの局はいまだに世帯視聴率を重視しています。しかし、今や、広告主が重視しているのはコア視聴率と、民放無料配信サービス・TVerのお気に入り登録者数と再生回数です。テレ朝は時代の波に乗っていないのです。『報ステ』はいいとしても、朝~昼の情報番組はほとんど芸能ネタがなく、ロシアのウクライナ進攻、中国経済、英国王室ネタなど、この時間のメイン視聴者である主婦層には、チャンネルを変えてしまうネタ選びが多い。バラエティーでも『Qさま』などクイズ系がもてはやされ、ドラマはこの6月にシーズン9が始まった『刑事7人』や『特捜9』、『相棒』といったシリーズものを重視し続けている。製作現場だけでなく、編成部門や営業部門の担当者が広告主の声を聞いて歩き、世の中のトレンドを分析し、番組作りに反映させてコア視聴率のアップに励んでいる他局とは大違い。すっかり、ファミリー層の“テレビ離れ”の一因になってしまっています」(広告代理店関係者)
もともと、テレ朝の開局時の局名は「株式会社日本教育テレビ(NET)」。教育番組のセールスや番組販売が伸び悩んだことで業績がふるわず、社名変更と共に番組の内容も試行錯誤を重ねながら現在の体制となった。
ガチガチな社風は開局時からあまり変わっていないかもしれないが、いずれにせよ、「コア視聴率」に関するこの記事を、広告主が本気で「出稿する際に注目しておきたい指標」にして検討した場合、テレ朝にとっては一大事になりそうだ。