テレビ朝日 悲願の視聴率三冠王獲得でも、業界の評価は「時代遅れのテレビ局」

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悲願の三冠達成ながら

 テレビ朝日が2022年度(2022年4月~23年3月)の平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)を発表し、世帯視聴率で全日帯(午前6時~深夜0時)が6.6%、ゴールデン帯(午後7時~同10時)が9.5%、プライム帯(午後7~同11時)が9.6%で、NHKを含む全局の中で、三冠を達成したことを発表したのは4月3日のこと。

 三冠達成は1959年の開局以来、初めてとなるが、手放しで喜べる記録ではなかったという。

「昨年11月27日のサッカーW杯日本VSコスタリカ戦の生中継が42.9%、3月に生中継したWBCの日本戦がいずれも40%超えで三冠獲得の原動力になったのですが、過去のデータから、普段のプログラムではあり得ないぐらいの高視聴率を獲得するのはわかりきっていました。W杯とWBCの放映権をもし他の局に持って行かれていれば、三冠獲得はなかったかもしれない」(テレビ朝日関係者)

 そこで、直近の5月28日から6月1日のテレ朝の各曜日の時間帯の主要番組と、同時間帯の世帯視聴率の順位を見てみよう。
※( )内が同時間帯の順位。

5月28日(日)
 「ポツンと一軒家」 13.4%(1位)

5月29日(月)
 「羽鳥慎一モーニングショー」 9.4%(2位)
 「相棒(再放送)」 6.4%(1位)
 「Qさま! 3時間SP」 8.4%(3位)

5月30日(火)
 「大下容子 ワイド!スクランブル・第2部」 6.0%(2位)
 「unknown」 6.0%(5位)

5月31日(水)
 「グッド・モーニング! (7時台)」 7.4%(2位)
 「特捜9」 10.4%(1位)

6月1日(木)
 「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」 7.6%(3位)
 「報道ステーション(報ステ)」 11.1%(1位)

「ポツンと」はNHKの大河ドラマ「どうする家康」をしのぎ、「相棒」は再放送にもかかわらず、夕方の同時間帯で圧勝。「特捜9」は最終回とあって、NHKの「ニュースウオッチ9」をも上回り、「報ステ」も同時間帯は圧勝だ。「モーニングショー」と「ワイド!スクランブル」はNHKを除いた民放5局では連日トップを獲得している。

 その一方、いずれもゴールデン・プライム帯の「Qさま!」、ともに連ドラの「unknown」、「ケイジと~」は他局の後塵を拝してしまっているどころか、「unknown」はテレビ東京よりも下だ。

「変な言い方になりますが、ニュースと情報番組やシリーズ化されている『相棒』、『特捜9』、そして『ポツンと~』など、若い世代がまず見ない番組は数字を取ります。しかし、バラエティーやドラマなど、若い人に見てほしいコンテンツは強化の余地あり。この傾向は、テレ朝の局としての特性になってしまっています」(放送担当記者)

 そんなテレ朝に対し、衝撃的なデータが突き付けられてしまった。「フライデー」(6月9日号)に4月中の1日の中で、最も視聴率が高いプライム帯のコア視聴率月間ベスト50が掲載されたのである。

 ちなみに、コア視聴率とは、テレ朝の公式サイト内にある広告主向けのサイトから引用すると以下の定義となる。

《コア視聴率とは、13歳~49歳の男女、いわゆる“ファミリー層”の個人視聴率のことを指しています。行動範囲が広く、消費活動も激しいコア層は、とくに商品購買意欲の高い視聴者層と言われています。そのため、テレビCMを出稿する際に注目しておきたい指標の1つです。》

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