長寿の大原則は「血液といかに上手に付き合うか」これだけは守るべき4つの日常習慣
「これだけは守ってほしい」4つの日常習慣
血液の基本をもう少し掘り下げてみよう。
「赤血球の寿命は約120日間で、寿命に達した赤血球は、骨髄、脾臓、肝臓にある貧食細胞に取り込まれ、壊されます。寿命に達していないものが壊される場合は『溶血』と呼ばれ、骨髄は不足分を補おうとして新しい赤血球を作り出します。しかし、赤血球の産生を上回るペースで溶血が進むと、『溶血性貧血』が起こるのです」
血液に障害が生じるとやがて健康を蝕み、長寿の妨げになる。貧血はその代表例だ。
「貧血は、若い女性に多い『鉄欠乏性貧血』やビタミン不足による『悪性貧血』、『腎性貧血』、『再生不良性貧血』(すべての血球をつくる造血幹細胞の働きが悪くなる)、そして『二次性(症候性)貧血』(各種がんなど、さまざまな病気によって生じる貧血)などに分類されます。こうした病気を防ぐためには、血液の働きが正しくコントロールされていることが必要です」
いったいどうすれば「正しいコントロール」が可能なのか。東丸名誉教授は「これだけは守ってほしい」と4つの日常習慣を挙げる。
【血流を良くして血液成分を維持するための日常習慣4つ】
1.バランスの取れた栄養摂取:野菜や魚を食べずに、ハンバーグなどの肉類や油っこいもの を食べ過ぎたり、無理なダイエットをしたりしない。赤血球の源である鉄分やビタミンB12を取り、脂質や糖分取りすぎで血液をドロドロ(固まりやすい状態)にしないこと
2.適度な運動:第二の心臓と言われる筋肉をつくる。週に5日を目標に、1日最低30分は歩行や体操などの運動をする。テレビの前で座ったまま、動くのはトイレだけといった自堕落な生活に浸らない
3.日光浴を欠かさない:太陽に体をさらす。ビタミンDやカルシウムを摂取して、骨と筋肉を丈夫にし、運動機能を維持する
4.充分な睡眠:何らかの理由でどうしても熟睡ができない場合、あまり推奨はできないが、医師の処方を受けたうえで、依存症にならない程度の睡眠薬を服用することも一つの手
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