気の毒すぎる大谷翔平 “なおエ”のエンゼルスがポストシーズンに出場できる確率はどのくらいか

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貧乏球団の勝利

 この3人の獲得を強く主張したのが、他ならぬオーナーのモレノ氏だったという。

「そのため、エンゼルスの成績が低迷している“戦犯”を挙げるとするなら、やはりモレノ氏でしょう。オーナーの意向に従い、『若手中心のチーム作り』というエンゼルスの伝統を壊してしまった歴代GMの責任を問う必要もあるかもしれません」(同・友成氏)

 2023年3月、アメリカの経済誌フォーブスが「メジャーリーグ球団資産評価」を発表した。エンゼルスは7位と上位。一方、現在、ア・リーグ東地区を39勝17敗で首位に立つタンパベイ・レイズは、資産価値28位の貧乏球団だ。

「今のレイズこそ、かつてエンゼルスが強かった時代を彷彿とさせます。レイズには大枚を叩いて大物選手を獲得するだけの資金がありません。若手選手の育成に成功し、貯金22という好成績を収めています。原点に還るという意味で、エンゼルスがお手本にすべきチームでしょう」(同・友成氏)

不祥事の多い体質

 先に鳴り物入りで入団したハミルトンのコカイン使用について言及したが、実のところエンゼルスは、こうした不祥事が目立つ。球団全体の規律が緩んでいる可能性があり、成績低迷の一因にも挙げられるという。

「2019年7月、先発投手としてチームを牽引していたタイラー・スカッグス(1991~2019)が遠征先のホテルで意識を失い、その後に死亡が確認されました。検視の結果、オピオイド鎮痛剤の濫用が原因で、嘔吐物を喉に詰まらせて窒息死したことが判明したのです。裁判で当時の広報部長が鎮痛剤を複数の選手に渡していたことが明らかになり、禁錮22年の有罪判決が下りました」(同・友成氏)

 翌20年には、ボールの“滑り止め”として使用が禁止されている粘着物質を、球団職員が他チームの投手に譲渡していたことが発覚した。

「職員は『粘着物作りのエキスパート』として知られ、効果が高いのに使用した痕跡が残らないと評判になっていました。発覚後、エンゼルスは解雇したのですが、職員は不当だとして地位の保証を求めて提訴。裁判の過程で粘着物質の使用者として、ニューヨーク・ヤンキースのゲリット・コール投手(32)やニューヨーク・メッツのジャスティン・バーランダー投手(40)の名前が挙げられ大騒ぎになりました」(同・友成氏)

ポストシーズン進出は?

 MLBの場合、ア・リーグもナ・リーグも、東、中、西の3地区で計15チーム。ポストシーズンには、各地区で優勝した3チームと、残り12チームのうち勝率上位の3チームが進出する。

 日本のスポーツサイトでもワイルドカード争いは紹介されている。それによると、エンゼルスは8位となっており、今のところはかなり厳しい状況だ。

 とはいえ、まだ6月になったばかり。これから連戦連勝すれば……果たしてポストシーズン進出は可能なのだろうか?

「不安要素としては、大谷を除く先発陣が安定しません。さらに、セットアッパーとして期待され、昨シーズンオフ、1年755万ドル(約10億4000万円)で合意したマット・ムーア投手(33)も脇腹を痛めて離脱しました。何より気になるのは、エラーを筆頭に凡ミスが目立つことです。エンゼルスがポストシーズンに出場する確率は、どんなに高く見ても20%というところではないでしょうか」(同・友成氏)

デイリー新潮編集部

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