“偽ブランド転売”で辞職「足立区議」の捜査情報を、板橋署「生安課長」がSNSで暴露…“依願退職”に追い込まれていた

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2.5%しかいない幹部

 生活安全課といえば、風俗やストーカー事案の取り締まりに加え、偽ブランド品の販売も取り締まる部署。つまり、和田氏による偽ブランド販売事件を捜査していた板橋署の捜査責任者でもあった生活安全課課長自らが情報を漏洩していたことになる。警視庁内部での衝撃が大きかったことは言うまでも無い。

 ある同庁OBはこう嘆く。

「有権者の付託を得た議員に対する捜査は慎重にも慎重を期します。民主主義の根底である選挙の公正さを妨害しないよう、たとえ地方議員選挙の候補者であっても、捜査に着手する場合は事前に本庁(警察庁)の判断を仰ぐ必要があります。暴露系ユーチューバーから議員になったガーシー氏の脅迫事件を、本来は知能犯を捜査する警視庁本部の捜査2課が担当しているのも、彼が国会議員という特別な職にあったからです。今回の情報漏洩が起こったのは、全国で一斉に地方議員や首長の選挙が行われる4月の統一地方選の前だったと聞きます。警察官が捜査中の情報を漏洩して、選挙直前に特定の候補や政党を攻撃するというのは前代未聞でしょう」

 警視庁の所轄署の課長といえば階級は警視級。全国の警察官の中でも2.5%しかいない歴とした幹部である。

好待遇の天下り先を

 前述の捜査関係者は、

「情報漏洩した生安課長はまだ50代前後で将来を期待される半面、パワハラ気質で部下からは嫌われていたと聞きました。これほどの事案にもかかわらず、監察が依願退職ですませたのも、懲戒処分を下してことが公になることを恐れたからでしょう。当の本人は、好待遇の天下り先をあっせんされて無事再就職したようですよ」

 警視庁に問い質すと、

「(生安課長が)退職の事実はありますが、一身上の都合であり、理由はお答えできません」

 とのこと。偽ブランド販売を隠して出馬した和田氏と、職員の不祥事を隠す警視庁。国民の目にはどっちもどっちに映るだろう。

デイリー新潮編集部

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