“身内びいき”岸田総理の自宅に土地不法占拠疑惑 「岸田さんから謝罪はない」

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“楠が生えている場所はウチのもんなんじゃ!”

 その後、80年ごろに比治山遊園の経営権と土地の所有権は五徳屋に移り、その数年後に閉園して料亭に生まれ変わるのだが、この頃、先の住職は五徳屋に直接抗議を行っている。

「私から土地についての経緯を説明したところ、五徳屋から弁護士が2人来て、公図やら何やらを広げて、“戦後の払い下げの時からここの土地はこっちのもんだ”ということを言われました。2回目に弁護士が来た時はがなり立てるようでした。こっちも裁判するような金はなかったし、泣き寝入りするしかなかったんです」(住職)

 岸田総理の父、文武氏とも直接話したことがあったというが……

「とられてしまった土地に生える楠を指して“ワシが子どもの頃に登った木だから、この楠が生えている場所はウチのもんなんじゃ!”と文武さんは主張してきました。政治家だからですかね、あまりに強引な話でした」(同)

 90年には、文武氏が、五徳屋が持つ寺近くの土地に自宅を建設。それが現在の岸田総理の私邸である。その後、五徳屋は10年に解散し、廃業。一帯の土地や比治山遊園だった建物は同年にまとめて五徳屋からツネイシホールディングスに売却されたため、総理の私邸は同ホールディングスが持つ土地の上に立っている格好だ。要は借地である。

口封じの和解金

 この土地がツネイシ所有となってほどなく、住職のもとにツネイシの社長から電話がかかってきたという。

「社長が“私も同じ宗派の寺に帰依してるんです。こうなっているのは忍びないから、土地問題を解決させてください”と言われ、信心深くていい人だと思ってね。当時の寺の総代と二人で福山の会社に会いに行ったんです。そこで50万円くらいかな、和解金として払うと言われ、納得して帰りました」(同)

 不動産に詳しい弁護士によれば、

「他人の土地を勝手に占有したとしても、20年たつと時効取得といって、所有権が認められることになります。となると、所有権を獲得した企業側は賠償金を払う必要もありません。今回、金銭を払ったということは相手方に騒がれないよう、紛争を避けたいという意図があったのでしょう」

 ということなのだが、これではまるで“不法占拠”したうえで時間を味方につけて、自らに有利な状況を作ったのと同然ではないか。「和解金を受け取った以上は仕方がない」という向きもいるかもしれないが、住職は金を求めているわけではない。現状をこう嘆く。

「今も岸田邸の周りには、常に警官が4~5人張り付いています。雨の時は彼らに軒を貸したり、車を停めさせてあげたりと協力しているのに、岸田さんからはありがとうの“あ”の字もない。ずいぶん前に、奥様の裕子さんに土地トラブルを説明した時は黙って帰ってしまいました。解決した時も岸田さんからは謝罪さえありませんでした」

 やはりここからも見えてくるのは「身内への甘さ」ばかり――6月8日発売の「週刊新潮」では、岸田総理一族の土地“不法占拠”トラブルを詳しく報じる。

「週刊新潮」2023年6月15日号

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週刊新潮 2023年6月15日号掲載

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