【秋田・女性遺棄】マザー・テレサに憧れ平和活動をしていた女が「ヤクザの夫」のためにスコップを握るまで…父親は「頭がぐちゃぐちゃです」
近隣住民が目撃していた「ベンツの彼氏」
その後、16年に、現在まで住居にしていた埼玉県さいたま市のアパートに、「出張リラクゼーション 極Raku(ラク)」をオープン。そこを拠点に出張マッサージ師として生計を立てていた。そのころに井上容疑者と知り合い、結婚したと見られる。
だがここ数年は同居はしていなかったようで、逮捕時は、家賃6万円のアパートで弟と二人で暮らしていた。同じアパートで独り暮らしをしている70代男性は、「よく夕方になって黄色いコンパクトカーに乗って出かけ、朝帰ってくるので工場みたいなところで夜勤をしていたとばかり思っていた」と語る。
男性は土岐容疑者と交流があった。
「彼女とは会えば声を掛け合う仲だよ。優しい子で、何年か前、夏場にエアコンが壊れて参っているって話したことがあったんだけど、すぐに『おじちゃん、これ使って』ってどこからか冷風機を持ってきてくれたことがあってね」
4、5年前から、土岐容疑者を訪ねてくる井上容疑者らしき姿もよく見かけていた。ただ、「彼氏」という認識だった。
「ベンツやレクサスを転がしてやってくるから、カタギじゃないとは薄々気づいていた。彼女曰く、以前は競馬の厩舎に勤めていたって話だった。やってくると数時間滞在して帰っていく。一緒に出かけていく姿もよく見ていた」
1年半ほど前、“ベンツの彼氏”をめぐり、こんなやりとりがあったという。
「『おじちゃん、私、東川口に越すことになったの』って言うんだ。てっきり彼氏と結婚するんだと思って、良かったねと見送ったんです。ただ1カ月もしないうちに戻ってきて、『おじちゃん、東川口の件、ダメになっちゃったんだー』って。何も聞かなかったけどね。その後、彼氏の姿も見かけなくなった」
1年半くらい前というと、まさに犯行グループが加藤さんの遺体の処理に動いていた時期と重なるが、事件とどう関わりがあるのか。
捜査関係者によれば、土岐容疑者は最近まで、井上容疑者に面会するために仕事を休んで網走刑務所に通っていたという。時期は不明だが事件後に離婚したようだ。
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