岡本和真は3つのポジション、ドラ1投手はセットアッパーに……スッキリしない原采配に賛否
一塁、三塁、左翼を守る岡本
目下、巨人打線を牽引しているのは4番・岡本和真(26)で間違いないだろう。セ・パ交流戦・千葉ロッテとの3連戦では11打数7安打3本塁打で、日本ハムとの第2戦でも延長10回裏にサヨナラ適時打を放っている。ホームランダービーでもリーグトップを“快走中”だ。
「岡本に対する相手バッテリーの『警戒の仕方』が変わってきました。岡本の前、3番を打つ秋広優人(20)の成長もありますが、中田翔(34)が右太股裏の故障から帰ってきました。相手バッテリーは岡本一人を警戒していましたが、秋広の成長がホンモノだと分かった後の中田の復帰です。中田にも注意しなければなりません。岡本一人を警戒していればいいという状況が変わり、そこを岡本にガツンとやられている感じです」(在京球団スタッフ)
ベテラン・中田の復帰は、大きなプラスだ。攻撃・得点力のアップはもちろんだが、4番・岡本を爆発させたように他選手との相乗効果も見込める。しかし、中田の復活はプラス材料だけではない。球団人気の失墜、伝統球団のメンツにも影響してきそうだというから穏やかではない。
「交流戦期間中はパ・リーグ球団主催のビジターゲームなら、指名打者制(以下=DH)が使えますが……」(スポーツ紙記者)
まだ万全ではないのだろう。交流戦では「6番・DH」で出場しているが、中田が再び一軍登録された5月25日のDeNA戦では「一塁手」でスタメン出場している。この「一塁手」としての出場がヤバイのだ。
「中田不在の間の『三塁・門脇誠(22)、一塁・岡本』の布陣が巧くいき、中田帰還後の守備陣営がどうなるのか、ちょっとした注目を集めていました」(前出・同)
門脇は「学生時代からほとんど守ったことがない」とは言うものの、三塁でダイナミックな守備を見せ続けている。門脇の守備に助けられた投手も多い。岡本を中田離脱前の三塁に戻せないとなれば、外野陣に目を向けざるを得ない。大方のファンやメディアも予想していたが、岡本の左翼守備が注目されることになったのだが、
「アウトカウントを間違えて、二塁走者にタッチアップを許すという凡ミスがありました」(前出・同)
中田が復帰したその5月25日、「左翼・岡本、一塁・中田、三塁・門脇」のスターティングオーダーが組まれた。やはり中田の打撃力は欠かせない。この攻撃的なオーダーを支持するファンも少なくなかったが、岡本の外野はWBCを除けば、2019年8月9日以来4年ぶり。中田復帰の前日から外野ノックのグループにも参加していたが、アウトカントを間違えるなど、とんでもない場面だった
「原監督も岡本の外野守備は心配していたようです。何回か話し合いをしています」(関係者)
岡本は「チームのためなら」と二つ返事でレフトコンバートを了承したそうだが、原監督が懸念したのは、自身にも“苦い経験”があるからだ。
まだ現役だった89年シーズン、原監督はレフトにコンバートされた。前年31本だった本塁打は26本に減り、打率も2割6分台までダウンしてしまった。
当時を知る関係者などの話を総合すると、外野コンバートによって集中力が持続できなくなったとのことだ。外野は内野手のような連係・サインプレーがない。「ヒマだ」とまでは言わないが、外野守備に就いている間、集中力が途切れてしまい、試合にも専念できなかったそうだ。
DeNA戦後、ビジターゲームで「指名打者」が使えるセ・パ交流戦に突入し、「一塁・岡本、DH・中田」、「一塁・中田、三塁・岡本」の守備陣営も見られたが、
「通常のペナントレースまで守備位置の問題を先送りしただけ。門脇を含め、選手の好不調や対戦投手との相性を見極めながら、守備位置を代えていくのではないか」(前出・スポーツ紙記者)
との見方がもっぱらだ。
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