【西麻布・超セレブ保育園トラブル】インターナショナルスクールは「玉石混淆の状況」 ダマされないための3つのチェックポイント
株式会社と学校法人
日本人にとって最も知名度の高いインターナショナルスクールは、東京都調布市にあるアメリカンスクール・イン・ジャパン(ASIJ)だろう。
卒業生は、駐日大使を務めたエドウィン・O・ライシャワー(1910〜1990)、タレントのジョン・カビラ(64)、ソニーグループの社長を務めた平井一夫氏(62)、歌手の宇多田ヒカル(40)──など多くの有名人がいる。
ASIJは東京都認可の各種学校。アメリカの教育法令に基づく全日制の男女共学校であり、アーリーラーニングセンター(3歳から5歳が対象の日本でいう幼稚園に相当)と第1学年から第12学年(日本の小学校・中学校・高等学校に相当)のクラスが運営されている。
ネット上で運営母体を調べると、「学校法人アメリカン・スクール・イン・ジャパン・フアウンデイション」が表示される。
一方、都内で英語を重視した認可外保育園や放課後の小学生に英語を教える民間学童を経営している企業の公式サイトを見ると、学校法人ではなく株式会社と明記されている。
「インターナショナルスクールに対する需要が一気に増加したことで、ビジネスチャンスと見なされるようになりました。しかし、小学校や中学校は簡単に作れません。そこで日本では、建設資金が認可外保育園や民間学童に流れました。保護者も『まずは幼児期に英語を習えばいいだろう』と歓迎したのです。スクールの定義は存在しないので何を名乗っても自由ではありますが、さすがに英会話スクールや民間学童がインターナショナルスクールという名称になっているのは日本だけでしょう」(同・村田氏)
評価団体の認証をチェック
村田氏によると、実態はまさに玉石混淆。そもそも「インターナショナル」ではないスクールも少なくないという。
「『インターナショナル』ですから、本来なら先生も生徒も様々な国の出身者で構成されているはずです。ところが、スクールによっては、英語を教える先生も日本人なら、生徒も日本人ばかりというケースは珍しくありません。こうなると単なる英語塾や英会話教室と変わらないことになります。ただ、これは日本だけではなく、世界的に増えている現象ではあります」(同・村田氏)
インターナショナルスクールの人気を反映し、諸費用が高額に設定されているところも少なくない。保護者としては大枚を叩く以上、金額に見合ったサービスを求めるのは当然だ。玉石混淆という状況から、どうやって「玉」を見つければいいのだろうか?
「そのスクールが国際的な認証を得ているかどうかをチェックするのが一つの方法です。文部科学省の公式サイトには、国際的な評価団体としてWASC、ACSI、CIS、NEASCの4つが紹介されています。例えばCISの場合、教育施設の財務やガバナンス、教育方法やカリキュラムを監査し、適切であると判断すれば認定を行います」(同・村田氏)
ちなみに、認定を受けていなくても、良心的で真面目なスクールは存在するという。
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