【西麻布・超セレブ保育園トラブル】インターナショナルスクールは「玉石混淆の状況」 ダマされないための3つのチェックポイント
インターナショナルスクールの問題点やトラブルを伝える報道が増えている。専門家は「子供に早い段階で英語を学ばせたいと希望する保護者は増加傾向にあり、それに伴ってスクールの市場規模も拡大、結果として様々な問題が発生しています」と指摘する。
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インターナショナルスクールに関しては、今年1月に読売新聞と朝日新聞が相次いで記事を配信した(註)。共に日本でインターナショナルスクールの開校が相次ぎ、「海外に住んだことのない、日本国籍を持つ子供」の通学者数も増加していると伝えたのだ。
2紙とも問題視したのは“卒業資格”。日本国籍を持つ子供の保護者は、「日本の学習指導要領に基づいて義務教育を行う小学校と中学校(1条校)」に通わせる義務を負っている。違反した場合、罰金刑の対象となるケースもある。
インターナショナルスクールは「1条校」ではないところも多い。そのためスクールに通う日本国籍の子供は、たとえ日本の中学校に相当する過程を履修しても、正式な「中卒」と見なすかどうかは自治体によって見解が分かれる。
トラブルのほうは、テレ朝newsが5月30日に配信した「高級スクール突然閉鎖 “授業料500万円”返金されず 保護者困惑…創立者の言い分は」の記事が話題となった。
東京都港区にある“インターナショナルスクール”が家賃トラブルで閉鎖。保護者は年間500万円にのぼる授業料を払っていたが、返金にも応じていないと報じられた。
ただ、このスクールは認可外保育園であり、多くの人がイメージするインターナショナルスクールとは異なる。この点については後で詳述する。
中学受験の過熱
国際教育評論家の村田学氏は「日本における伝統的なインターナショナルスクールは、あくまでも日本に住む外国人の子供に対する教育が目的でした」と指摘する。
「ところが、英語の教育内容が充実していることから、1990年代から『わが子をインターナショナルスクールに入学させたい』と希望する保護者が増えたのです。この現象は日本だけでなく、中国やシンガポール、マレーシアなど、主にアジア圏で見られました」
現在の“スクール人気”に大きな影響を与えている要因としては、中学受験の過熱と、日本の大学が世界ランキングで順位を低下させていることが挙げられるという。
「2020年度から小学校で英語教育が必修になりました。そのため出産を考えているご夫婦や乳児を持つ保護者の中には、『わが子が中学受験を迎える頃には、入学試験で英語も科せられているに違いない』と判断している方がいます。これは間違った認識ではなく、すでに複数の私立中学が入試に英語を導入しています。こうして『小さい頃から英語を習わせよう』という機運が生まれ、インターナショナルスクールに注目が集まっているわけです」(同・村田氏)
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