「ラーメン組長」射殺事件で「別のラーメン店銃撃事件」指名手配犯の存在がクローズアップ
処分保留で釈放された重要参考人
テールラーメン店主と6代目山口組3次団体トップを兼ねていた余嶋学・湊興業組長が射殺された事件はいまだ解決していない。が、捜査当局は容疑者の可能性があるとして、さるラーメン店の駐車場で発生した銃撃事件に絡む人物に関心を寄せているという。
【防犯カメラから】黒ずくめの男が右手を腹部に伸ばして入店して
余嶋学組長が射殺されたのは4月22日のこと。すでに1カ月以上が経過しているが、兵庫県警の捜査は真犯人の検挙にまで至っていない。これまでの経緯を簡単に振り返っておこう。
5月2日、4代目山健組傘下の初代妹尾組(本部・岡山県)の元若頭補佐が、兵庫県警に逮捕された。この元若頭補佐は余嶋組長を射殺したヒットマンにクルマを提供し、これを解体すべく業者のところへ出したことから関与が疑われたのだ。
その後、元若頭補佐は処分保留のまま釈放されたが、警察の保護対象になっているという。
「ある程度、警察に事件のあらましについて話している可能性がありますね。もちろん今後、逮捕・起訴という可能性は否定できません」
と語るのは、元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現・NPO法人「五仁會」主宰)。
捜査関係者も関心
元若頭補佐自体は15年ほど前にある事件で懲役へ行くことになり、その前にカタギになったとされる。ただ、今回犯行に使われたクルマを手配したり、昨年10月に起こった池田孝志・池田組組長襲撃の実行犯(5代目山健組傘下・3代目妹尾組若頭)の借りているマンションの名義人だったりするなど、暴力団と極めて近い場所にいることが推察される。
問題は、ヒットマンに移動手段を提供した人物から先に踏み込めていない点である。しかし、まったく展望が無いわけでもなさそうだ。
「噂レベルで容疑者の存在が浮上しており、捜査関係者も関心を寄せているようです」
と、担当記者。
その人物は、別の事件で指名手配されている暴力団員である。ある組織のナンバー2,若頭であるこの男をKとしておこう。
K若頭は2020年、長野県内のラーメン店の駐車場で別の組の組長の脇腹を拳銃で撃った殺人未遂の疑いで、指名手配中の身となっており、行方はいまだ不明のままである。ちなみに両名は同じ組織の先代と当代という関係、つまり兄貴分が舎弟をハジいたことになっている。これは極道史上初と言われる極めて異例の事件とされていた。
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