原辰徳監督が守護神・大勢に“おきゅう”を据えたワケ【柴田勲のセブンアイズ】
「おきゅう」の意味
セ・パ交流戦がスタートした。巨人はロッテに勝ち越したまではよかったが、日本ハムに負け越して6連戦を3勝3敗、再び借金「1」となった。
このところ毎回記しているけど、巨人は波に乗れない。勝ったり負けたりの繰り返しで大きく連勝できない。3日の日本ハム戦は延長戦となり、10回に岡本和真のサヨナラ二塁打でモノにした。
サヨナラで勢いを付けた。こう思いがちだが、この試合にしても抑えの大勢が1点リードの9回に同点に追いつかれての結果だ。自己最多の5安打を浴びた。今季3度目のセーブ失敗となった。
原辰徳監督は今季初めて大勢に回またぎを命じた。プロ通算2度目だ。これは「おきゅう」の意味合いもあったのではないか。「お前で試合を終わらせるはずが延長戦となった。最後まで投げ切って決着をつけなさい」まあ、こんな感じかな。
もっと楽に投げたらどうか
今季の大勢は空回りをしている。昨季は無心で投げていたように思う。「ヨシッ、オレが決めてやる」と力が入っている。マウンド上の顔からもありありとわかる。
確かに速い球を投げている。154、5キロくらいを計測している。われわれの時代だったらこんな速い球を見たことがないと思ったかもしれないが今は違う。いくら速くても真ん中あたりに集まったらそりゃ打たれる。
もっと楽に投げたらどうか。「任せたぞ」「頑張ってこい」、はひとまず置いといて、先発して5回くらいまで投げる感覚でマウンドに上がったほうがいい。大勢の持ち味はストライク先行だ。それが力むあまりボール球が先行して甘く入ったところを狙われる。力を抜く。打たせて取る。こんな投球を心がけてもいいと思う。
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