とにかく明るい安村 イギリスで“全裸ポーズ芸”はなぜ大ウケしたのか

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裸芸が単なる悪ふざけにとどまらない、プロ芸人の創意工夫と技術

 安村の全裸ポーズ芸は、その見た目から「裸芸」というカテゴリに分類されることがある。「裸になってふざける」というのは、人類の歴史上、小さい子供から酔っぱらいまで数限りない人間がやり続けてきた超古典的なふざけ方、笑わせ方の一形式であり、そこには目新しさはない。

 つまり、裸芸と言われるものが単に「裸になってふざける」という程度のことであるのなら、そんなものはプロの芸とは言えないのである。プロの芸人が見せる裸芸が「芸」と呼ばれるのは、単なる悪ふざけにとどまらない創意工夫があり、技術があるからだ。

 野暮であることは承知で安村の全裸ポーズ芸の構造を解説すると、その面白さのカギは「フリとオチの衝撃的な落差」にある。安村は最初に「全裸に見えるポーズを披露する」と宣言してから、ネタに入る。

 この時点では、観客はこれから何が起こるのかがよくわからない。ひょっとするとパンツを脱いで全裸になる姿を見せられるのではないか、という不安を感じる人もいるかもしれない。

 実際、今回の「ブリテンズ・ゴット・タレント」(出演1回目の予選)でも、冒頭の説明の時点では、審査員の反応はかんばしいものではなかった。このフリ(ネタ振り)の段階では、観客の気持ちの中では期待よりも不安がやや勝っている。

 そんな中で、音楽が流れて実際に全裸ポーズが披露されると「あっ、そういうことか」という気付きが訪れ、緊張からの緩和による笑いが生まれる。

 今回の舞台で、安村はネタの最後にスパイス・ガールズのヒット曲「Wannabe」に合わせて、連続で全裸ポーズを披露していた。この時点では説明抜きにネタが伝わる状態になっているので、連続で披露することで観客のボルテージも最高潮に達する。

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