性行為は好きではなかったはずなのに…41歳男性が明かす、恥ずかし過ぎる“人妻との出会い”から家庭崩壊まで
ネットの書き込みを見過ごせず
だがそれは常に不安定な状況だということでもあった。そして何かを求めている人にはその何かが現実のものとなることがある。
「あるときネットで同好の士が集まるコミュニティを見ていたら、自分たち夫婦の営みを覗いてほしいという書き込みがあったんです。それを見たとたん、やはり行動に移さざるを得なかった。見過ごせなかったですね」
その夫婦に連絡をとり、実際に会ってみた。少し年上の気さくな夫婦だった。秀顕さんが自分の欲求や体験を話すと、ふたりは「こういう人に出会いたかった」と言ってくれた。ただ、実際にはそれは秀顕さんの本来の欲望とは少しだけ乖離がある。
「本当は覗かれることを意識していない人たちを覗きたい。でもそれは無理がある。だからそういう欲求を持った人たちに接触したわけです。僕のもともとの欲望とは違うけど歩み寄ることでしか満たされないならしかたがないので」
家庭の話をするより、秀顕さんはずっと熱い口調になっていた。性的な嗜癖というのは、第三者からみると、どこか滑稽でもあり哀しくもある。
そして彼は、その夫婦の家で「こっそり」覗き見をしてある程度の満足感を得た。性的満足感以上に、その夫婦との間に芽生えた友情がうれしかったともいう。蛇の道は蛇で、彼らから新たな情報も受け取るようになった。
「覗かれることを予想していない人たちを覗きたいけど、それはできない。だけどいつ覗かれているかわからない状況を作り出すことはできる。そういう方法で興奮したりされたりする人たちがいるのがわかって、その夫婦の紹介のもと、そういった場に出入りするようになりました」
運命を変えた出会い
彼の場合、覗くことだけが趣味で、あくまで密かに覗きたい。それが主眼だった。だが、人生、何が起こるかわからない。あるとき、覗いていると覗かれていることに気づいたカップルの女性に手招きされた。
「彼女が非常に魅力的な人だった。ほぼ一目惚れです。自分が一目惚れするとも思っていなかったから、びっくりしました。そして初めて、他人の妻と、その夫の目の前で行為に及んでしまったんです」
その夫はいわゆる「寝取られ好き」だった。こうなるとさまざまな嗜好と性癖がもつれあって関係性が複雑になっていく。人間ってすごいなと思う瞬間だ。
「その彼女、麻理子さんというんですが交わってみて驚きました。体の相性がいいというのはこういうことなんでしょうね。僕が女性慣れしているわけではないのに、やることなすこと彼女のツボにはまったみたいで。彼女の夫もものすごく興奮して、また会ってもらえませんかとまで言われました」
夫と連絡先を交換して別れたが、数日後、麻理子さんから連絡があった。ふたりきりで会えないか、相談したいことがあるというのだ。つきあっているわけでもないのに踏み込んだ会話ができるのは、体を交えた経験があるからこそ。こういった人間関係も興味深い。
「もちろん彼女の誘いは断れないから飛んで行きました。彼女は『あなたのことが忘れられなくて。夫を介さずに会いたかった』と。僕も同じ気持ちでした。だけど、あの日のことはあくまでもその道が好きな人たちの“遊び”にすぎない。というか、それがルールでもあるはず。だけど彼女は『そんなことはわかっているし、私も今までは遊びと割り切ってきた。でもあなただけは無理なの。遊びではすまない』って。そのままホテルへ行きました。やはり相性のよさは抜群で、どうやら単に体だけの相性とは思えなかった。いろいろ話もしましたが、本当に楽しい。心から笑えてリラックスできて」
麻理子さんは彼より5歳年上だったが、年齢差などどうでもよかった。彼女は「夫のことは好きだけど、あなたと出会うために夫と結婚していたんだと初めてわかった」と言った。
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