岸田首相の遅すぎた「身内切り」 恋人に絶縁を言い渡した元首相とは大違い
当初は守っていた
岸田文雄首相の長男で秘書官を務めていた翔太郎氏が6月1日付で辞職した。直接のきっかけは、翔太郎氏が2022年末、首相公邸で開いた忘年会の模様を文春オンラインが報じたことだった。
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報道を通じて、翔太郎氏が組閣の際に新閣僚が並ぶひな壇などで記念撮影を楽しんでいたり、岸田首相の甥が公邸の赤じゅうたんの上に寝そべっていたりする写真が連日繰り返し国民の目に触れることとなった。
「当初、首相は会見でも更迭については否定していました。息子を守っていたわけですね。それが一転してクビ斬りを余儀なくされたのは、直近の世論調査結果を受けてのことだと聞いています」
と、政治部デスク。
「G7広島サミットまでの主として外交での得点で上昇を続けていた内閣支持率が、今回の件であっさり下がってしまった。問題への対応が国民に評価されていないと判断し、首相は長男の更迭を決めたのです。久々にモットーである「聞く力」を発揮したなぁとは思いましたが、どうせなら報道の直後にクビにすべきだったのでは、との声が大きいですね」(同)
25年もすれば首相候補
もともと翔太郎氏には味方が多いとは言えない状況だったという。
「そもそも、岸田首相が翔太郎氏を秘書官にするという決断をした時から、外部はもちろん政府与党内からも違和感のようなものが噴出していました。時の宰相というものは最も自分を律しなければならないはずなのに、そういう姿勢が見えなかった。岸田首相には、翔太郎氏をいずれ後継として、政権与党の枢要を経験させ、いずれは首相候補に、といった期待があるのでしょう。秘書官登用もそのためのプロセスという考えが透けて見えるため、身内びいきが甚だしいという批判は内輪でもありました」(同)
その親の心子知らずで、翔太郎氏は、首相に付き添って出かけた外遊で、公用車を使って観光地を訪れたり全閣僚にお土産を買ったりしたことなどが報じられた。
「元経産次官の嶋田隆政務秘書官を筆頭に霞が関から優秀なスタッフが派遣されていることから、翔太郎氏の出る幕がありません。それで結局、“お土産購入とそのついでの観光”がメインの業務になってしまったわけです」(同)
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