武尊が“7代目”襲名 「佐山聡」が築いた「タイガーマスク」のイズムが継承され続ける理由(中川淳一郎)
タイガーマスク活動が続く社会に
こうしていい話をしてきたのだが、最後にトホホな話を。私がかつて所属していたHWWA(一橋大学世界プロレスリング同盟)の提携団体・MWF(武蔵野美術大学プロレスリング夢☆ファクトリー)には「5代目タイガーマスク」という選手がいた。初代と同じコスチュームで登場したが、あんこ型体型ながら、俊敏な動きをするレスラーで子供達からの人気は絶大だった。この選手をフォールしようとすると、巨大な腹を膨らませ、相手はゴロゴロと転がり落ちてしまうという技が人気だった。
今回7代目が登場したということで、もしや5代目としてあいつは認められていたのか! と一瞬思ったのだが、ンなわけはなかった。2010年に登場した5代目はミノワマンだった。すると、元5代目は離れ業をやってのけていた。その年に武蔵野美術大学で行われた試合ではリングネームを「6代目」に替えたのである! まさにインチキ万歳を謳うHWWAスタイルだが、私としてはこのインチキ〇代目が15代目ぐらいになるまで、武尊が引き継いだタイガーマスク活動が続く社会になればいいと思っているのだ。