ミスチル“桜井和寿”が憧れた伝説のボーカリスト「ROGUE・奥野敦士」 “車イス”で駆け抜けた「不屈のライブ」10年の軌跡

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「やっぱりROGUEって良かったな」

 奥野の出演こそ叶わなかったものの、桜井は、ap bank fes '12でROGUEの代表曲「終わりのない歌」のカバーを披露した。そして翌2013年、ROGUEはとうとう再結成されることとなる。ギタリストの香川誠が復活までの経緯を語る。

「90年に解散した後は、奥野のことが大嫌いだったよ。口もききたくないし、一切連絡も取らなかった。解散の理由はカッコ良くいえば“方向性の違い”ってやつだけど、まぁ、要するにケンカ別れだったからさ。でも、ある時、昔の仲間たちと飲んでいたら“ライブ後の打ち上げって楽しかったよな”って話になって。“また昔みたいに打ち上げやろうよ”って盛り上がったんだけど、当時もうバンド活動をやってなかったから。“で、何の打ち上げやる?”ってなっちゃって(笑)。それで“一回くらいは再結成もありかな”ってノリになった。ライブがやりたいというより、打ち上げをするためにはライブやんなきゃって(笑)。それで嫌だったけど奥野に電話したんだ。酔った勢いだね。それが2008年だった」

 一方、電話を受けた奥野はというと、

「オレは嬉しかったよ。お互い恥ずかしいから一言しかしゃべらなかったけど。解散してソロになった後、“やっぱりROGUEって良かったな”と思ってたから。もう一回やりたいと思ってたんだ」

 そうして、奥野は衰えた体力を取り戻すべく始めた解体業のアルバイトで事故に遭ったのだ。香川が続ける。

「病院に見舞いに行って奥野に再会したけど、正直、行かなきゃよかったと思ったよ。“オレが再結成の話なんか持ち掛けたせいで、奥野があんな風になったのかな”とか、そりゃ色々考えちゃうよね」

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