子どもを亡くし、夫からはDV… 100歳の三味線奏者が語る凄絶な半生 元気の秘訣は「共演者たちへのお裾分け」

ドクター新潮 ライフ

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演目が始まると、鬼気迫る表情に

「御年100歳でシャキシャキ」と浪曲ファンの間で有名な曲師(浪曲に伴奏をつける三味線弾き)の玉川祐子さん。ノンフィクションライターの井上理津子氏が、凄絶な半生と「生涯現役」の秘密に迫った。

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 浪曲は、物語を聞かせる浪曲師と曲師の二人で成り立つ芸。東京・浅草にある浪曲の定席・木馬亭の舞台に、浪曲師・港家小そめさん(53)の合い三味線として、毎月出ておられると知り、伺った。

「通常、曲師さんは(舞台に立てた)衝立の向こうで三味線を弾かれるので、客席から見えませんが、『祐子師匠の姿を一目でいいから拝みたい』というお客様が多くて、特別に衝立を外させていただいています」
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