「現役ドラフト」で最もトクをした阪神 次回の目玉は山川穂高になる?

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「現役ドラフトって知ってますか?」と聞いたら、どこのファンかによって認知度に差が出そうだ。

 昨年末に初めて行われた現役ドラフトは、文字通り各球団でくすぶっている現役選手たちを俎上(そじょう)に載せて欲しい球団が指名、獲得する新制度である。

 目下セ・リーグ首位をひた走る阪神は、この制度で最もオイシイ思いをした球団と言っていい。ゆえにほとんどの虎キチもご存じのはずだ。

 大竹耕太郎投手(27)は現役ドラフトでソフトバンクからやってきた。ハーラートップの6勝は、青柳晃洋や西勇輝ら主戦の不振を補って余りある活躍である。

「予想以上の収穫」

 そんな大竹の獲得は、通常ドラフトのようなクジ運によるものではない。

 現役ドラフトを簡単に説明すると、まず各球団が手持ちから選手を拠出する。そこで人気投票を行い、最も人気を集めた球団が最初に選手を指名する。次に、指名された選手が所属する球団が選択権を得る……というふうに数珠つなぎに指名をしていく。つまり、いい選手を出さないといい選手を取れない。

 スポーツ紙記者によると、

「トランプゲームのような頭脳戦の結果、陽川尚将内野手(31)が2番目に指名された阪神は、3番目の指名権を得て大竹の獲得に成功しました」

 打者の出世頭は、DeNAから中日に移籍した細川成也外野手(24)。なんとクリーンナップに抜てきされている。21日の巨人戦では左手一本で弾丸本塁打を放ち、ファンを沸かせた。

 他にも、阪神から西武に行った陽川が19日のソフトバンク戦で移籍初打席に立ちいきなり本塁打。巨人から広島に移った戸根千明投手(30)も中継ぎでフル稼働、と再生を遂げた選手が相次いでいる。

「飼い殺しをなくすべく選手会が提案した制度ですが、予想以上の収穫です。2回目の開催は未定ですが、おそらく今オフにも行われるでしょう」

山川穂高の今後にも影響

 戦術も発展しそうだ。

「たとえば、先ごろ強制性交容疑で書類送検された山川穂高(31)。西武はコンプライアンスに厳しいので、事実上の無期限出場停止状態は長期化する見込み。本来今オフに取得するはずだったFA権も、出場登録されなければお預けです。仮に不起訴になっても、ミソがついた彼を西武が重用するはずがない。ならば現役ドラフトのカードに――なんて作戦もありえます」

週刊新潮 2023年6月1日号掲載

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