女子高生殺害事件 初公判で明らかになった「いびつすぎる三角関係」と「残忍な所業」 妻は拘置所で夫の子を死産

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勾留中の死産

 だが、この時には警視庁の捜査員は防犯カメラの解析で、二人を被疑者として割り出し、行方を追っていた。午後7時過ぎ、二人の乗った車を追尾していた捜査員は、長野県内のパーキングに入ったタイミングで職質。二人はA子さんの殺害を自供し、翌日、小屋でA子さんの遺体が発見されたのだった。

 被告側の弁護人はいずれも事実関係は争わないとした。その上で、章平被告の弁護人は、A子さんへ思いがもつれた結果で「計画性はなかった」と訴え、量刑で争う姿勢を示した。

 和美被告の弁護人は、「和美は依存性パーソナリティ障害などの精神障害の影響で、章平を絶対視するようになり、迎合して犯行に及んだ」と主張。心神耗弱状態にあり、責任能力は完全に備わっていなかったとして減刑を求めた。和美被告が高校時代に父親から性的な虐待を受け続けたことや、犯行時は章平被告の子供を妊娠しており、拘置所で勾留中に死産していたことも明かした。

食い入るようにファイルを見ていた和美被告

 休憩を挟みながら6時間半続いた裁判中、二人の様子は対照的だった。

 章平被告はみじろぎせずにうつむき加減の姿勢を保っていた。どこか遠くを見ているようだった。一方、和美被告は一つひとつの動作が仰々しかった。起立と言われると慌ただしく立ち上がり、礼は90度体を折り曲げて数秒。証拠調べの時は、与えられたファイルを食い入るように読みながら検察官の話に耳を傾けていた。学校で授業を受ける優等生のようであった。

 6月5日からは3日間にわたって被告人質問が行われる予定だ。二人は取り返しのつかない罪をどのような言葉で振り返るのか。そして、今も続く夫婦関係についてどう語るのだろうか。

デイリー新潮編集部

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