ジャニーズ性加害問題で「評価を下げた」と批判された櫻井翔が“本当に大切にしているもの”とは?

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 揺れに揺れているジャニーズ性加害問題、現役の所属タレントたちが何を言うかでも評価が変わっている状況だ。そんな中、「news zero」で月曜キャスターを務める櫻井翔は沈黙を貫いているが、その理由とは何なのだろうか――。【冨士海ネコ/ライター】

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 最も注目されているのは情報番組に起用されているメンバーたちだ。最初に口を開いたのはテレビ朝日系「サンデーLIVE!!」の東山紀之さんで、「最年長である自分が口を開くまで、後輩たちには待ってもらった」と、コメントしにくい立場に置かれた後輩たちを気遣う男気を見せた。続いて日テレ系「シューイチ」で中丸雄一さんが、改善すべき点を挙げながらも、社会貢献への姿勢などは評価していた。一方ノーコメントを貫いているのは「news zero」で月曜キャスターを務める櫻井翔さん。有働由美子キャスターが番組としてのスタンスを語るにとどめ、櫻井さんはフレームの外にいる演出に批判の声も上がっている。

 とはいえ、いくら人気者とはいえ、彼らはいち所属タレントにすぎない。会社の前経営者の不祥事を語るというのもおかしな話だし、被害者であれば公共の電波で口を開きづらい。何かを知っているかもしれないが、その渦中にいた仲間たちのプライバシーを考えるのなら、余計に言えないだろう。批判を浴びている櫻井さんをはじめ、気の毒だなと思う。

 ただ、櫻井さんに関しては、今の彼の所属意識はそもそもジャニーズには無いのでは、とも感じる。嵐は活動休止中だが、彼ほどの知名度があれば独立してもやっていけるだろう。もとより「嵐であることより慶應生であることが誇り」と言っていたと報じられている。本人は幼稚舎からの慶應ボーイ、父は総務事務次官を経て電通グループの執行役員を務めた。妹はキー局、弟も慶應体育会ラグビー部を経て大手広告代理店勤務とくれば、日本独自の階級社会構造を裏も表も知り尽くす環境で育ってきた人といえるだろう。圧倒的な金とコネがあればどうにでもできることは少なくないことを、故ジャニー氏と同じくらい、幼い頃からよくわかってきた人ではないか。偶然かもしれないが、五輪に関わる贈賄事件で電通が批判を浴び始めた頃、父親は同社役員から退任しているというタイミングの良さもなんとも興味深い。

 亡くなった人間の性加害問題という火中の栗を拾うことより、今を生きている政財マスコミ界の三田会ネットワークにおける立場を重んじたとしても不思議ではない。外から見れば保身に見えるその姿も、彼の周囲にいるお偉方からしてみれば、世間の反感を買っても自分たちのビジネスに関わるような火種は生み出さない、義理堅いヒーローとして映っているのではないだろうか。

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