【渥美清の生き方】しょせん人間は孤独…自分の最期を「板橋のほうの職安脇のドブに、頭を突っ込んで死んでるよ」
「メメント・モリ」とはラテン語で「死を想え」の意。日本で唯一「大衆文化担当記者」の肩書を持つ朝日新聞編集委員・小泉信一さんによる新連載「メメント・モリな人たち」は、これまで取材で取り上げた様々な人たちの「人生の幕引き」をテーマに、死を迎える諦念、無常観を描きます。第1回で取り上げている俳優・渥美清(1928~1996)は、親しい仲間に対しても私生活を明かすことはほとんどありませんでした。断片的なエピソードをつなぎ合わせることで見えてきた国民的名優の素顔とは――...