【日本ダービー】レース直後に2番人気「スキルヴィング」急死の衝撃 関係者からは「綺麗事で終わらせるな」の声

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ショッキングな最後の様子が

「ルメール騎手は倒れたスキルヴィングの横に寄り添い、撫でながら様子を窺っていましたが、馬は立ち上がることなく、その場で息を引き取り、駆けつけた関係者によって馬運車に乗せられて馬場を後にしました。2番人気で、ルメール騎乗とあって、応援している人も多かっただけに、騒然となった場内の空気は、最終レースまで元に戻ることはありませんでした。なんとも後味の悪い日本ダービーとなってしまいましたね」

 そのショッキングな“最後の様子”は動画としてネット上で拡散され、大きな話題となった。コメント欄は、「よくゴールまで頑張った」「冥福を祈ります」「君を忘れない」といった声で溢れかえった。

 競馬関係者が続ける。

「死因は、急性心不全とのことでした。デビュー戦こそ2着だったものの、その後は3戦3勝。あのキタサンブラック産駒ということもあって、今回も優勝候補の一角だっただけに、残念でなりません」

 その一方で、

「“馬は一生懸命走って命を全うした”、とか、“関係者もみんな全力を尽くした”といった、どこか綺麗事として済ませたいという風潮が、競馬界やファンの中で広まっているようで、それはいかがなものかと思います。レース前の調教を見ていたトラックマンからは、スキルヴィングの調子は、普段と違って、かなり悪かったとも聞いていました。こうしたことがどうして起きたのかについて、感傷的になる前に、もっと具体的に考えていかないと、同じ悲劇が繰り返されるだけですよ」

怪我をせずに

 とした上で、

「例えばですが、競馬の盛んなアイルランドでは、一番人気の、強い馬が凡走した場合、調教師は鼻からスコープを入れて、肺の様子をすぐチェックします。肺出血をしていることが珍しくないので、続戦はさせず、長期休養となるそうです。日本では、よっぽどひどい負け方でもしない限り、そこまでの検査はしない。また、香港では、レース直前のメディカルチェックが厳しく、一見問題なさそうな馬でも、歩様が少しでもおかしければ、出走を停止させます。昨年12月にも、サリオスという日本馬が香港マイルを引退レースに選んで挑みましたが、直前のメディカルチェックで撥ねられ、直前で出走できず、陣営もファンも大きく落胆しました。が、結果的に、サリオスは怪我をせずにすみ、種牡馬として第二の道を歩き始めることができたわけです。日本も見習うべきところはあると思います」

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