中国が尹錫悦をムチ打ち始めた 米中半導体戦争で繰り出した「4つのNO」

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 中国が尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権にムチを使い始めた。「言うことを聞かねばいじめる」と宣言したのだ。韓国観察者の鈴置高史氏はそれを米中半導体戦争の一端と読む。

米国一辺倒なら報復

鈴置:ハンギョレが興味深い記事を載せました。「[独自]中国『習主席の訪韓、期待するな』…4つの不可方針を韓国に通知」(6月1日、日本語版)です。

 5月22日、中国外交部の劉勁松アジア局長がソウルで韓国外交部のチェ・ヨンサム次官補、チェ・ヨンジュン東北アジア局長と会談しました。この際、中国の核心利益を侵害したり、米日一辺倒の外交政策を採れば報復に出ると警告した、というのです。

 ハンギョレにリークしたのは「韓中関係に詳しい複数の高官級の外交消息筋」で、5月30日のことでした。なお、この記事は韓国語版では5月31日に掲載されています。

 図表「中国が韓国に通告した『4NO』」をご覧ください。韓国に禁じたのは4項目。報復に関しては「韓国が求める習近平主席の訪韓はしない」「韓国の対北朝鮮政策は邪魔する」と具体的に言及したものもあれば「協力せず」と内容を明示しないものもあります。

 要は「最近、米国にすり寄っているな。とっととこちらに戻らないと、痛い目に遭うぞ」と脅し上げたのです。尹錫悦政権とすれば、内容を明示されない方が怖いでしょう。

 習近平訪韓や、北朝鮮との緊張緩和はどうせ実現しない可能性が大きい。それよりも具体的な内容を明かされずに「報復するぞ」と言われると「いったい、どんな目に遭わされるのだろう」と恐怖感が増すものです。

――「4NO」は本当でしょうか?

鈴置:5月31日、韓国外交部の当局者は「事実でない」と語りました。News1という通信社が「外交部、中国の『4NO』通報との報道に『事実でない』」(5月31日、韓国語)と報じました。

 もっとも同じ日の中国外交部の会見で、韓国・中央日報記者の「4NOは事実か」との質問に、報道官は「最近の協議において中国は韓国側に対し、核心的利益に関する厳粛な立場を真剣かつ包括的に明らかにした」と答えました。

 4項目かどうかは明かしませんでしたが、韓国に要求したことは認めたのです。報道官は続けて「韓国側は問題の核心を深く理解し、真摯に受け止め、中国と協力して中韓関係の健全かつ着実な発展に向けて積極的に努力すべきである」と語りました。

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